マレーシア人学生が語るAPEC2025と習近平演説の3つのキーワード video poster
土曜日に閉幕した2025年のAPEC会合で、中国の習近平国家主席が、2026年の第33回APEC経済リーダーズ会合を中国南部の都市・深圳で開催すると発表しました。このニュースを、アジアの若い世代はどう受け止めているのでしょうか。
清華大学に留学するマレーシア出身のタン・ヤンジュさんは、第32回APEC経済リーダーズ会合第1セッションでの習主席の演説について「アジア太平洋地域の将来の成長と発展にとって意味のある示唆があった」と話し、2026年の深圳会合に向けて具体的な前進を期待しています。
2025年APEC会合で示された「深圳2026」への流れ
2025年のAPEC会合の閉幕にあわせて、習近平国家主席は、中国南部の深圳が2026年に第33回APEC経済リーダーズ会合をホストすると明らかにしました。APECは、アジア太平洋の経済協力を進める枠組みであり、各メンバーの首脳が貿易や投資、持続可能な成長などについて意見を交わす場です。
深圳は、改革開放の象徴として発展してきた都市であり、ハイテク産業やイノベーションの拠点としても知られています。APECの首脳級会合がここで開かれることは、デジタル経済やグリーン成長といったテーマを前面に出していくというメッセージでもあります。
マレーシア人留学生が聞いた、習主席演説の意味
タンさんは、習主席の演説がアジア太平洋地域の将来に向けた方向性を示すものだったと受け止めています。とくに、成長と発展をどう持続させ、より多くの人に行き渡らせるかという点に注目しました。
そのうえで、2026年の深圳での会合では、次のような「より実務的な解決策」に焦点を当ててほしいと話しています。
- 貿易の拡大と、モノやサービスの流れをスムーズにすること
- デジタル分野とグリーン分野でのつながりを強めること
- 発展の果実をより公正に分配し、誰も取り残さないこと
ポイント1:貿易拡大で成長のエンジンを強く
アジア太平洋地域の多くの国と地域にとって、貿易は経済成長を支えるエンジンです。タンさんが「貿易の拡大」を挙げた背景には、サプライチェーンの混乱や保護主義的な動きが続くなかで、安定したルールに基づく貿易環境を維持・強化したいという思いがあります。
中小企業やスタートアップにとっても、関税や手続きの負担が軽くなれば、越境ビジネスに挑戦しやすくなります。APECメンバーが協力して貿易のハードルを下げることは、若い起業家にとってもチャンスを広げることにつながります。
ポイント2:デジタルとグリーンをつなぐ
タンさんが強調する二つ目の柱は「デジタルとグリーンのつながりを強めること」です。アジア太平洋の若い世代にとって、インターネットやスマートフォンは生活と切り離せないインフラである一方、気候変動や環境問題への危機感も強くなっています。
例えば、次のような分野での連携が考えられます。
- 省エネ技術や再生可能エネルギーを支えるデジタル技術の共同開発
- スマートシティやスマート物流を通じたエネルギー効率の向上
- 環境データの共有や分析を通じた政策づくりの高度化
深圳は、デジタル産業とグリーン技術の両方が集積する都市です。2026年の会合では、こうした分野での具体的な協力プロジェクトが議論されることが期待されます。
ポイント3:「公正な発展」をどう実現するか
タンさんが三つ目に挙げたのは「発展をより公正にする」ことです。アジア太平洋では、高度に発展した都市とそうでない地域、大企業と中小企業、デジタル技術にアクセスできる人とそうでない人の間で、格差が広がりやすい構造があります。
APECの議論が、単に経済規模の拡大だけでなく、教育やスキル、人材交流、社会保障といった側面も含めて進められることで、より多くの人が成長の恩恵を実感できるようになる可能性があります。若い世代の視点からは「数字としての成長」だけでなく、「生活の質がどう良くなるか」が重要な尺度になっています。
深圳開催が象徴するアジア太平洋の未来像
改革開放の先端都市として成長してきた深圳でのAPEC経済リーダーズ会合は、イノベーションやデジタル経済、グリーン成長をキーワードにした議論を加速させる舞台となりそうです。
そこに、マレーシアをはじめアジア太平洋各地の若者の声がどう反映されるかは、2026年に向けた一つの見どころです。タンさんのような学生の視点は、政策決定の現場からは見えにくい、日々の生活やキャリアのリアルな感覚を伝えてくれます。
私たちは2026年のAPECに何を望むか
2026年の深圳での第33回APEC経済リーダーズ会合まで、まだ時間があります。タンさんが示した「貿易」「デジタル×グリーン」「公正な発展」という三つのキーワードは、アジア太平洋の将来を考えるうえで、多くの人が共有できる問いかけでもあります。
読者の皆さんは、どのようなアジア太平洋の未来像を思い描くでしょうか。2025年のAPEC会合を踏まえつつ、来年の深圳会合に向けて、若い世代の視点から議論を見守り、必要であれば声を上げていくことが求められています。
Reference(s):
Malaysian youth shares her views on President Xi Jinping's speech
cgtn.com








