南米の街角に広がる中国要素 ミニバスから肉まん・餃子まで video poster
南米の街を走る中国製のミニバスや乗用車、チャイナタウンのレストランで湯気を上げる肉まんや餃子――2025年の今、中国の要素は南米の日常風景の一部になりつつあります。本記事では、現地記者の取材をもとに、国際ニュースとしての「中国要素」と、それを受け止める南米の人々の声を紹介します。
南米の日常に溶け込む中国要素
かつては特別な存在だった中国製品や中国料理は、南米の多くの都市で、コンビニやカフェと同じように「そこにあるのが当たり前」の存在になってきています。街を少し歩けば、中国ブランドの車が信号待ちをし、角を曲がるとチャイナタウンの赤い看板が目に入ります。
こうした変化は、外交や経済協力といった大きな国際関係だけでなく、「きのう乗ったミニバス」「きょう食べた餃子」といった、ごく身近な体験として南米の人々の生活に入り込んでいます。
街を走る中国製ミニバスと乗用車
まず目につくのは、公共交通や市内を走る中国製のミニバスや乗用車です。通勤時間帯になると、中国ブランドの小型バスが次々と停留所に到着し、人々をオフィスや学校へと運びます。
現地で取材に応じた会社員の男性は、次のように話します。
「以前は中古の欧米車ばかりでしたが、最近は新しい中国車が増えました。車内も思ったより快適で、運賃も手ごろなので、自然とよく使うようになりました。」
「実用性重視」で選ばれる
南米の利用者が中国製のミニバスや車を選ぶ理由は、華やかなブランドイメージというより、「実用性」と「身近さ」です。
- 通勤・通学に十分な性能と座席数がある
- 運賃や購入価格が生活者の感覚に合っている
- 街中で同じ車両をよく見かけるため、安心感がある
こうした日常の選択の積み重ねが、「南米の交通といえば中国製のミニバス」というイメージを少しずつ形づくっています。
チャイナタウンの肉まんと餃子
もう一つ、目に見えやすい中国要素が、チャイナタウンの飲食店です。お昼どきになると、通りには蒸し器から立ち上る湯気と香りが広がり、肉まんや餃子を求めて多くの人が列を作ります。
週末には、家族連れや友人グループが中華料理店に集まり、点心(小皿の軽食)をシェアしながらゆっくりと時間を過ごします。店内では、中国語とスペイン語、ポルトガル語が飛び交い、南米らしい賑やかな空気が流れています。
「日常ランチの選択肢」の一つに
取材に応じた学生の女性は、チャイナタウンでのランチについて次のように話します。
「肉まんや餃子は、量もちょうどよくて値段も手ごろ。友だちとシェアしやすいので、普通のランチの選択肢の一つになっています。特別な料理というより、気軽に楽しめる日常の味ですね。」
かつて「エキゾチックな外国料理」として紹介されることの多かった中華料理は、今では南米の人々にとって、ピザやハンバーガーと並ぶ「気分転換メニュー」の一つとして定着しつつあります。
中国と南米をつなぐ人と文化
街に広がる中国要素の背景には、人の往来と文化交流があります。南米の各地には、長年にわたって暮らしてきた中国系コミュニティがあり、彼らの店舗やサービスが地域の生活を支えています。
同時に、南米の若い世代の中には、中国語や中国文化への関心から語学スクールに通ったり、中国料理のレシピを学んだりする人もいます。スマートフォンを通じて動画や音楽に触れ、中国についてのイメージを自分なりに更新している人も少なくありません。
「遠い国」から「身近な存在」へ
こうした動きは、中国と南米の関係が、「遠い国どうしのニュース」から「生活に直結する話題」へと変わりつつあることを示しています。
- 通勤で乗るミニバスが中国製だった
- お気に入りの餃子の店の店主が中国出身だった
- 友人が中国語を勉強していた
こうした小さな気づきの積み重ねが、「中国」という存在をより立体的で身近なものにしています。
「読みやすい国際ニュース」としての南米
2025年の今、国際ニュースは外交や安全保障だけでなく、街角のミニバスやランチの肉まんにも姿を現しています。南米で広がる中国要素を追うことは、世界のつながりを「生活者の視点」で考えることにもつながります。
日本から見ると、南米も中国も「遠い地域」に感じられがちです。しかし、南米の人々が中国製のミニバスで通勤し、中国料理を楽しむ姿をイメージしてみると、世界は思っている以上に近く、そして静かに変化し続けていることが伝わってきます。
ニュースの見出しだけでは見えにくい、こうした日常レベルの変化に目を向けることが、これからの国際ニュースを読み解くうえで、ますます重要になっていきそうです。
Reference(s):
Chinese elements in South America, from minibuses to dumplings
cgtn.com








