米国政府閉鎖40日目が市民生活に広がる影響 video poster
2025年10月1日に始まった米国連邦政府の一部閉鎖が、2025年11月9日で40日目に入りました。史上最長となるこの政府閉鎖は、アメリカの市民生活や経済活動にじわじわと影響を広げています。
何が原因で「史上最長」の政府閉鎖に?
今回の米国政府閉鎖は、議会(連邦議会)が新たな予算案で合意できず、政府機関に必要な資金を手当てできなくなったことがきっかけです。予算が切れた結果、「不要不急」と判断された部門が業務を停止し、多くの職員が自宅待機を命じられました。
その一方で、安全保障やインフラ運営など「止められない仕事」に就く職員は、給与が支払われないまま働き続けています。2025年11月9日時点で閉鎖は40日目となり、米国史上最長の政府閉鎖となりました。
市民生活を直撃:食料支援・航空・医療
この連邦政府の一部閉鎖は、単なる政治対立にとどまらず、日常生活のさまざまな場面に影響しています。現地報道によると、影響が出ている主な分野は次の通りです。
- 低所得層などを支える食料支援サービス
- 国内外の移動を支える航空輸送・空港の運営
- 公的な医療サービスや関連行政手続き
数千人の政府職員が給与なしの状態に置かれ、数百万人規模の人々が「当然受けられるはずのサービス」を利用できない、あるいは大きな遅れを強いられています。
空の仕事は「無給」で続く:深刻化する人手不足
なかでも懸念が高まっているのが、航空分野への影響です。統計によると、およそ1万3,000人の航空管制官と5万人の空港保安検査員が、政府閉鎖のもとで給与なしで勤務を続けています。
無給勤務が長期化するなか、生活の不安から休暇や病欠を選ぶ職員も増え、人手不足が深刻化。各地の空港でフライトの遅延が相次ぎ、航空の安全性にもリスクが高まっていると指摘されています。
現場の声:メンタルヘルスと安全への不安
空港での取材では、現場の緊張感が浮かび上がります。マイアミ国際空港の職員、アナ・ルシア・フメさんは、政府閉鎖の影響について次のように危機感を語ります。
パイロットのメンタルヘルスにはすでに影響が出ていて、この状況が続けば、航空会社の運航に支障が出たり、機体の不具合や運航上のトラブルにつながるおそれがあるという見方です。長時間労働や将来への不安が重なることで、パイロットや管制官の集中力をそぐことが懸念されています。
ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港では、乗客の足止めも起きています。乗客の一人、コナー・ロッテさんは、入国審査を通過するだけでほぼ2時間を要し、ターミナルには「ほぼ1マイル」に及ぶ長蛇の列ができたと振り返ります。待ち時間の長さから、列に並んでいた人の中には気を失う人もいたといいます。
見えにくい「生活のほころび」をどう見るか
政府閉鎖というと、ワシントンの政治ゲームのように聞こえますが、実際には、空港で並ぶ一人ひとりの時間や、職員の生活不安、そして安全へのリスクとして現れています。とくに、航空や医療、食料支援のような「インフラ的サービス」が長期にわたり揺らぐことで、社会全体の信頼も試されています。
今回の米国政府閉鎖は、ほかの国や地域にとっても他人事ではありません。公共サービスの仕組みや、それを支える人たちの働き方、政治の対立が市民生活にどう跳ね返るのか。ニュースを追いながら、自分の国や地域の制度と重ねて考えてみるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Uncovering America: How U.S. government shutdown affects daily life
cgtn.com








