70カ国の人が暮らす中国Jimingshanコミュニティの日常 video poster
70カ国以上が集まるJimingshanコミュニティ
中国・浙江省義烏市にあるJimingshanコミュニティには、70カ国以上から集まった約1,400人が暮らしています。その多国籍ぶりから、地元では国連コミュニティとも呼ばれています。
同じ街区にさまざまな国と地域の住民が暮らし、仕事や子育て、地域イベントなどを共有するこのコミュニティは、グローバル時代の「ご近所付き合い」を映す一つの縮図と言えます。
イエメン出身・Awsanさんの「第二の故郷」
イエメン出身のAwsanさんは、2015年に中国にやって来て、2020年初めからJimingshanコミュニティの一員になりました。現在はコミュニティのボランティアチームのメンバーとして活動しています。
彼の主な役割は、外国人住民と中国人住民をつなぐことです。具体的には次のような仕事を担っています。
- 多言語での通訳・翻訳を手伝うこと
- 地域の消防安全点検への参加
- 新しく来た外国人住民が借りる家を探す際のサポート
Awsanさんは、「何年もボランティアを続けてきて、多くの中国の友人が自分のことを知ってくれるようになりました。自分もたくさんの中国の友人ができて、ここは家にいるように感じます」と話します。ボランティアを通じて築いた信頼関係が、彼にとってこの街を「第二の故郷」にしているようです。
違いをつなぐ中国人スタッフ・王暁暁さん
Jimingshanコミュニティでは、中国人スタッフも重要な役割を果たしています。その一人が、コミュニティの運営に携わる王暁暁さんです。
王さんの仕事は、住民同士の間に生じる小さな行き違いやトラブルを、対話を通じて解きほぐすことです。文化や価値観の違いから誤解が生まれそうな場面では、
- お互いの背景や考え方を分かりやすく説明する
- どちらか一方に偏らない形で調整する
- 今後同じことが起きないよう、ルールや伝え方を一緒に考える
といった橋渡し役を務めています。
王さんは、このコミュニティについて「ここには国境や信仰の壁はなく、あるのは互いに助け合う温かさだけです」という思いを持っています。衝突ではなく、相互理解と支え合いを前提にした運営が、日常の空気として根付いているようです。
多言語講座と文化活動で「暮らし」に溶け込む
Jimingshanコミュニティでは、外国人住民が地域の暮らしにスムーズに溶け込めるよう、多言語での講座や文化活動の機会が用意されています。
例えば、言葉の違いを埋めるための多言語コースは、単に語学を学ぶ場であるだけでなく、地域のルールや生活習慣を知る入口にもなります。また、地元の行事や文化活動に参加することで、外国人住民は地域の雰囲気に慣れ、中国の住民も世界の多様な文化に触れることができます。
こうした「学び」と「体験」の組み合わせが、机上の異文化理解ではなく、日常の中で自然に育つ共生意識につながっていると考えられます。
国境や信仰を越えた「助け合い」のコミュニティ
国籍も宗教も異なる人びとが同じ場所で暮らすとき、潜在的な摩擦の芽は少なくありません。それでもJimingshanコミュニティでは、ボランティア活動やスタッフの調整、多言語支援などを通じて、日常の中に助け合いの仕組みが組み込まれています。
王さんが語る「国境や信仰の壁ではなく、互いに助け合う温かさ」があるという感覚は、華やかなイベントよりも、火災予防の点検や住まい探しの手伝いといった地道な取り組みの積み重ねから生まれているものです。
日本の多文化共生へのヒント
日本でも、都市部を中心に多国籍の住民が増えています。Jimingshanコミュニティの取り組みは、次のようなヒントを与えてくれます。
- 地域の外国人住民と日本人住民をつなぐ、ボランティアの役割を明確にすること
- 防災や安全点検など、「地域の共通課題」に一緒に取り組む場をつくること
- トラブルが起きたときに対話を支える専門スタッフや窓口を用意すること
- 多言語での講座や文化活動を通じて、日常的に交流する機会を増やすこと
70カ国以上の人びとが暮らすJimingshanコミュニティの日常は、多様性を負担ではなく資源として生かすための工夫が、ローカルな生活の場から生まれうることを静かに示しています。
Reference(s):
What's it like for people from over 70 countries live in one community
cgtn.com








