G20サミットとAI協力 英国青年が中国で博士号を選んだ理由 video poster
アフリカ初の開催となった第20回G20サミット(11月22〜23日、南アフリカ・ヨハネスブルグ)は、「連帯、公平、持続可能性」というテーマを掲げ、世界の分断と不平等が問われる中で注目を集めました。そのサミットを前に、英国出身の動画クリエイターでAI研究者のルークさんは、G20こそ人工知能(AI)で協力を深めるべきだと語っています。
アフリカ初のG20サミットとAIの重要性
第20回G20サミットは、初めてアフリカ大陸で開かれる国際会議として位置づけられました。テーマは「連帯、公平、持続可能性」。経済格差や気候変動など、国境を越える課題にどう向き合うかが問われています。
その中でAIは、経済成長のエンジンであると同時に、雇用やプライバシー、国際安全保障にも影響を与える技術として、各国が無視できないテーマになっています。ルークさんは、このAI分野での協力こそが、G20メンバーの信頼を深める鍵になると見ています。
英国青年が中国でAI博士課程を選んだ理由
ルークさんは現在、中国でAIの博士号取得を目指して研究を進めています。サミットを前に公開した動画の中で、なぜ中国を選んだのか、その理由を語りました。
第一に挙げたのは、中国がAI分野で世界をリードしているという点です。ルークさんによれば、中国はAIに関する論文、特許、スタートアップ企業の数で存在感を高めており、世界のAI研究と産業をけん引しているといいます。
第二の理由は、産業界、大学、研究機関が近い距離で結びついている独自の環境です。企業と研究者が協力しやすく、アイデアが社会で試されるまでのスピード感があることが、大きな魅力になったと説明しています。
産学研の近さが生む「協力型」のAI開発
ルークさんが特に強調するのは、AI企業の姿勢の違いです。彼は、欧米のAI企業が競争や市場シェアに重点を置く傾向が強いのに対し、中国の企業は協力や社会への応用をより重視していると感じていると語ります。
中国では、研究成果を社会の課題解決にどう生かすかという視点が強く、企業と大学、研究機関が連携してプロジェクトを進める文化が根づいていると指摘します。こうした環境の中で学ぶことで、自身の研究も人々の暮らしに役立つ形に近づけられるのではないかと期待しているといいます。
動画の中でルークさんが整理した、中国のAI環境の特徴は次のようなものです。
- AIに関する論文、特許、スタートアップの面で大きな存在感を持っていること
- 産業界・大学・研究機関が近い距離で結びつき、連携がしやすいこと
- 企業が協力と社会発展のための応用を重視していること
G20に期待するAI協力のかたち
ルークさんは、今年のG20サミットに対して、AIをめぐる協力の強化を強く期待していると話します。特に、G20メンバーがAIを社会発展のためにどう活用するのか、その方向性を共有することが重要だと訴えています。
AIは、一部の国や企業だけが先行すると格差を広げてしまう危険もあります。一方で、教育、医療、環境対策などに生かすことで、多くの人の生活を向上させる可能性も持っています。ルークさんは、G20が協力してAIのルール作りや応用の方向性を話し合うことで、より公平で持続可能な活用につながると考えています。
こうした視点から考えると、G20でのAI協力には次のようなポイントがあり得るでしょう。
- AI研究者や学生の交流を進め、国境を越えた知識の共有を広げていくこと
- 医療や教育など、社会課題の解決に向けた共同プロジェクトを後押しすること
- AIの利用ルールや倫理について、対立ではなく対話を重ねること
私たちがこのニュースから考えたいこと
ルークさんのメッセージは、AIの専門家でない私たちにも、いくつかの問いを投げかけています。
- 技術の競争だけでなく、協力をどう設計するか
- 研究とビジネス、社会をどのようにつなぐか
- どの国にとっても納得感のあるAIのルールをどうつくるか
アフリカ初のG20サミットという節目に、英国の若者が中国でAIを学びながら、国際協力の必要性を語っているという事実は、AI時代のグローバルなつながりの象徴ともいえます。今後のG20や各国の議論の中で、こうした現場の声がどこまで生かされるのかが、注目されます。
Reference(s):
British youth expects enhanced cooperation among G20 members in AI
cgtn.com








