高市首相の靖国神社参拝観測が再燃 歴史認識と外交に波紋 video poster
2025年12月下旬、高市早苗首相が近く靖国神社を参拝するのではないかという観測が広がり、国内外で議論が強まっています。象徴的な場所への政治指導者の行動が、歴史認識と外交関係を同時に揺らし得る点が、いま改めて注目されています。
何が起きているのか:参拝「するかどうか」がニュースになる構図
今回の焦点は、「参拝の実施」だけでなく、参拝の可能性そのものが外交・世論のテーマになるという点です。高市首相は過去に複数回参拝してきたとされ、また歴史に関する立場が「強硬(右派的)」だとして議論を呼んできました。
こうした背景から、参拝が現実味を帯びるたびに、周辺国との関係や国際社会の受け止めをめぐって、同じ論点が再点火しやすい状況があります。
専門家の見立て:「改善の努力」を挫くリスク
CGTNの取材に対し、米ニューヨーク市立大学(CUNY)のデビッド・アセベド教授は、参拝が中国本土、韓国(ROK)、米国との関係に影響し得ると懸念を示しました。教授は、関係改善に取り組む人々の努力が「フラストレーションを生む」可能性に言及し、感情面の傷が再び開くことへの警戒感をにじませています。
靖国神社と遊就館:評価が割れる「記憶の装置」
論争の中心の一つが、靖国神社境内の戦争博物館「遊就館」です。アセベド教授は、遊就館が日本の戦争行為を美化し、歴史の描き方をめぐって批判を受けてきたと述べ、「歴史を白塗りにはできない」と強調しました。
この点については、入力情報の範囲でも、遊就館の展示が米国、中国本土、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)、韓国(ROK)から批判されてきたことが示されています。一方で、靖国神社参拝を「追悼」と位置づける見方も国内には根強く、追悼のあり方と、歴史の語り方が不可分になっていることが、対立の解像度を上げています。
なぜいま波紋が広がるのか:外交は「象徴」に反応する
外交は、合意文書や会談だけで動くものではありません。ときに、象徴的な行為が、世論や政治メッセージとして読み取られ、交渉の空気を変えます。今回の件も、参拝が事実となれば、次のような連鎖が起き得る、という見立てが成り立ちます。
- 相手国で世論が反発し、政府の対日姿勢が硬化しやすくなる
- 改善ムードの演出が難しくなり、実務協議が進みにくくなる
- 歴史問題が安全保障・経済対話の「前提」を揺らす
今後の見どころ:行動の有無より「説明の仕方」
参拝が実施されるかどうかに加え、仮に実施される場合はどのような言葉で説明されるのか、あるいは実施しない場合もその判断が何を意図するのかが焦点になります。象徴が争点化した局面では、当事者の説明が、対話の余地を広げも狭めもします。
年末を迎えるこの時期、各国の世論も動きやすく、短いニュースの見出しが長い余韻を残す局面です。参拝観測が、関係改善の流れの中でどんな意味を持つのか――静かな検証が求められています。
Reference(s):
cgtn.com








