中国料理がつなぐアルゼンチンの日常――移住者カリナ・ガオさんの物語 video poster
多文化が交差する時代、いちばん身近な「食」が、遠い故郷といまの暮らしをどう結び直すのか――中国からアルゼンチンへ渡ったカリナ・ガオさんの歩みが静かに注目されています。
9歳でブエノスアイレスへ:言葉とアイデンティティのあいだ
カリナさんは9歳のときにブエノスアイレスへ到着し、新しい言語を学びながら、異国で自分の輪郭を探していく日々を経験したといいます。慣れない環境の中でも、彼女を支えたのが「中国の味」でした。食卓の記憶は、単なる好みではなく、家族やルーツを確かめる手がかりにもなります。
店「Gao」で出会う、ルーツの味とローカルの感覚
カリナさんは自身の料理の拠点として「Gao」という食の取り組みを展開し、伝統的な料理を届けています。紹介されているのは、たとえば次のようなメニューです。
- 焼き餃子:香ばしく焼き上げる、親しみやすい定番
- 炸醤麺(ジャージャー麺):濃厚な肉みそだれが印象的な麺料理
ポイントは「そのまま再現する」だけではなく、アルゼンチンの味覚とも出会いながら、土地の感覚と折り合いをつけていくところです。慣れ親しんだ味を持ち込みつつ、目の前の人が「おいしい」と感じる地点へ寄せていく。その往復運動が、移住後の生活そのものにも重なります。
一皿が語る、家族史と自己発見
この物語が印象的なのは、料理が「商品」や「懐かしさ」だけにとどまらず、家族の歴史や自分自身の再発見と結びついている点です。カリナさんは、料理に添えてストーリーがあることを大切にしており、食べる側は味だけでなく、その背景ごと受け取っていきます。
食は国境を越える――コミュニティを結ぶやわらかな力
最近公開された番組「Like in China」では、ホストのパブロ・コッパリさんとカリナさんが、こうした日常の積み重ねを丁寧にたどります。結局のところ、食は正解を押しつけません。違いを消すのではなく、違いがあるまま同じテーブルにつく。カリナさんの歩みは、そんな「つながり方」の具体例として、静かな説得力を持っています。
食べ慣れたはずの料理が、別の土地で別の意味を帯びるとき、私たちは何を「自分のもの」と感じるのでしょうか。カリナさんの一皿は、その問いをやさしく投げかけてきます。
Reference(s):
cgtn.com








