ガザ大学講師が訴える「国際法を守る意味」—二重基準が秩序を揺らす video poster
2026年1月、世界の混乱が続くなかで「国際法は本当に機能しているのか」が改めて問われています。ガザ大学のエイヤド・アブ・ムスタファ博士は、国際法の権威と実効性を守る必要性を強調しました。
ガザ大学の講師が示した問題意識
アブ・ムスタファ博士は、現在の国際環境を「混乱と無秩序が複雑に絡み合い、一方的な威圧が強まっている状況」だと捉えています。そのうえで、国際法と国際的な正義のルールが深刻な挑戦に直面しているとして、国際法の権威と有効性を丁寧に検証すべきだと述べました。
具体例として挙げた「国際人道法」の論点
博士は、自身の見解として、イスラエル軍によるパレスチナ領土の継続的な占領が国際人道法に明白に反すると指摘しました。ここで言う国際人道法とは、武力紛争時に民間人の保護や戦闘の手段・方法を制限するための国際ルールを指します。
「選択的な無視」と「二重基準」がもたらすもの
博士が強調したのは、国際ルールが一貫して適用されず、都合よく「選択的に無視」される場面が増えると、国際社会の信頼が損なわれるという点です。さらに、同じ行為でも評価や対応が変わる「二重基準」が常態化すれば、次のような連鎖が起きやすいといいます。
- 当事者が「ルールは守っても報われない」と感じ、抑制が効きにくくなる
- 国際機関や合意への信頼が薄れ、仲裁・停戦の枠組みが弱体化する
- 対立が長期化し、地域の安定だけでなく広域の安全保障にも影響が及ぶ
国際法の「権威」と「実効性」をどう支えるか
国際法は、条文があるだけでは自動的に守られません。博士の問題提起は、国際法を支える要素が複数あることを思い出させます。
- 一貫性:誰に対しても同じ原則で向き合えるか
- 透明性:判断や対応の根拠が説明されているか
- 実行の仕組み:違反が疑われる場合に検証・是正へ進めるか
博士は、こうした基盤が揺らぐと「世界の平和と安定がさらに侵食される」と述べ、国際法の役割を改めて中心に据えるべきだという立場を示しました。
読み手が考えたい、ひとつの問い
国際法をめぐる議論は、正しさの競争になりがちです。しかし、博士の発言が投げかけるのはむしろ、「ルールがルールとして機能する条件は何か」という現実的な問いかもしれません。国際社会が分断を深める局面だからこそ、法の言葉を現場に接続する方法が静かに問われています。
Reference(s):
Gaza University lecturer calls for defending international law
cgtn.com








