米国ホームレス最多77万人:住宅の夢が遠のくLAスキッドロウの現実 video poster
ロサンゼルスの繁栄のすぐ隣で、テントや小屋が密集する「スキッドロウ」。米国で住まいのない人々が増え続けるなか、「家を持つこと」自体が最も遠いアメリカンドリームになりつつあります。
LAの中心部に広がる「集中地域」
ロサンゼルスには、住まいのない人々が特に集中して暮らす地域があり、スキッドロウはその象徴的な場所として知られています。繁華街やビジネス街から近い一方で、路上生活の現実が可視化されやすいエリアでもあります。
背景にあるのは「住める家の不足」と生活コスト
ホームレス問題は長年の社会課題ですが、近年は以下の要因が重なり、悪化傾向が指摘されています。
- 手頃な価格の住宅(アフォーダブル住宅)の不足
- 高い失業率
- 医療費の高騰
「働いても家賃に追いつかない」「病気やけがで生活が崩れる」といった、転落のきっかけが複合的になっている構図が見えてきます。
2024年、住まいのない人々は過去最大の77万人超に
米国住宅都市開発省(HUD)の報告では、米国の住まいのない人々は2024年に前年から18.1%増となり、77万人超に達しました。これは記録が始まった2007年以降で最多とされています。
数字が示すのは、景気や都市の「見た目の豊かさ」とは別に、住宅へのアクセスが広い層で難しくなっている現実です。
「公共秩序」対策としての撤去と屋外睡眠禁止が広がる
米国では、住まいのない人々がしばしば公共秩序への「脅威」として語られることがあります。報道によれば、首都ワシントンD.C.では8月に住まいのない人々の排除(撤去)が命じられ、都市や州に野営地の解体を促す動きもありました。
さらに、最高裁の判断を追い風に、州や自治体が屋外での睡眠を禁じ、違反者に罰金や収監を科す制度を導入する例が増えているとされています。
強制移動は解決につながるのか——支援団体が懸念する「逆効果」
住まいのない人々のうち、最大で3分の2が精神健康上の問題や薬物依存を抱えるとも言われています。専門家のなかには、撤去や罰則を軸にした政策が、本人の権利を損なうだけでなく、支援につながる糸口を断ち、精神面の負荷を強めるなど「逆効果」になりうると懸念する声もあります。
一方で、地域の安全や衛生への不安を訴える声も根強く、「秩序の維持」と「当事者の尊厳と支援」をどう両立させるかが、各地で問われています。
スキッドロウで浮かび上がる問い:「脅威」なのか、それとも制度のひずみなのか
現地取材では、当事者への聞き取りとともに、関連するNGOが「住まいのない人々は本当に公共秩序への脅威なのか」「なぜここまで住まいが手に入りにくくなったのか」を検証しています。
路上生活を“個人の問題”として切り分けるほど、解決は遠のくのかもしれません。住宅不足、雇用、医療、メンタルヘルス支援——複数の歯車が噛み合わないとき、最後に残る選択肢が「路上」になってしまう。スキッドロウは、その現実を凝縮して映し出しています。
Reference(s):
cgtn.com







