甘い罠:米国で拡大する食用大麻、子どもの中毒が急増する理由 video poster
米国で医療用・娯楽用の大麻合法化が広がるなか、グミやチョコなど「食べる大麻(エディブル)」が家庭内に入り込み、子どもの誤食による中毒が急増しています。2009年の930件から、2024年には2万2000件超へ――この伸びは、単なる流行では片づけにくい公衆衛生のサインです。
合法化が進むほど、エディブルが身近になる
提供情報によると、米国では医療用大麻が50州中40州で合法化され、娯楽用も24州で合法化されています。これにより、マリファナの「食用製品」市場が拡大し、グミ、チョコレート、飲料などが一般の消費者にとって手に取りやすい存在になりました。
ただ、手に取りやすさは大人だけの話ではありません。家庭内に置かれたエディブルは、未成年、とりわけ小さな子どもにとって「お菓子」と区別しにくい形で目に入ります。
数字が示す現実:子ども・ティーンの比率が突出
米国の中毒情報を扱うAmerica’s Poison Centersによれば、大麻中毒の報告は2009年の930件から、2024年には2万2000件超へと急増しました。さらに2024年は、すべての大麻中毒のうち75%超が子どもとティーンに関わるケースだったとされています。
なぜ「誤食」が起きるのか:包装と見た目が“お菓子化”
ニューヨーク州ガーデンシティに拠点を置くFamily and Children’s Association(FCA)のトップであるジェフリー・L・レイノルズ医師は、この状況を<strong>"THC arms race(THCの軍拡競争)"</strong>と表現しました。
同医師は、次の点を問題として挙げています。
- 多くの大麻製品が、主流のスナックに似せたデザインになっている
- 目を引く(しばしば蛍光色の)派手なパッケージが使われる
- 結果として、子どもが誤って口にし、救急外来に運ばれるケースが増える
合法化によって「普通のもの」として受け止められやすくなる一方、家庭内での置き場所や見た目の紛らわしさが、事故の起点になっている構図が浮かびます。
より深刻なのはティーンの脳:12〜16歳の曝露リスク
レイノルズ医師が強調するのは、救急搬送に至る急性の事故だけではありません。提供情報では、12〜16歳という発達の重要な時期に大麻へ曝露すると、学習能力の低下、IQへの恒久的なダメージ、ストレスや感情への自然な対処力の障害につながり得るとされています。
「見た目はお菓子」でも、影響はお菓子ではない――エディブルが突きつけるのは、そのギャップです。
求められる対応:政府の啓発と、企業・地域・親の連携
レイノルズ医師は、米政府に対して大麻製品のリスクに関する教育(啓発)へ緊急に乗り出すよう求めています。同時に、企業、地域社会、親が連携して、子どもを大麻による害から守る必要があるとも訴えました。
合法化が進む社会で、何を「大人の選択」として扱い、どこからを「子どもの安全」として守るのか。エディブルは、その線引きを各家庭と社会に静かに問いかけています。
Reference(s):
Sweet Trap – Children health crisis behind U.S. cannabis edibles
cgtn.com








