トランプ次期政権、マスク氏とラマスワミ氏起用で「政府効率省」新設へ
2024年の米大統領選後、次期大統領として活動するドナルド・トランプ氏が、イーロン・マスク氏とビベック・ラマスワミ氏を新設機関「政府効率省」のトップに起用すると発表しました。あわせて国防長官と国土安全保障長官、国境政策の責任者も指名し、第2期政権の方向性を早くも浮かび上がらせました。
マスク氏とラマスワミ氏、「政府効率省」トップに
トランプ次期大統領は火曜日、起業家のイーロン・マスク氏とビベック・ラマスワミ氏を、新設される政府効率省(Department of Government Efficiency)の責任者に起用すると発表しました。この新組織は、第2期トランプ政権の目玉となる行政改革を担うとされています。
声明の中でトランプ氏は、マスク氏とラマスワミ氏について「この2人のすばらしいアメリカ人が、私の政権の官僚主義の解体、過剰な規制の削減、無駄な歳出のカット、連邦機関の再編に道を開くだろう」と強調しました。
テック起業家と政治新人のタッグ
マスク氏は宇宙企業スペースXと電気自動車メーカーのテスラの最高経営責任者(CEO)として知られ、これまでも連邦政府の歳出を少なくとも2兆ドル削減すべきだと主張してきました。この規模の歳出削減案には専門家の間で懐疑的な見方も出ていましたが、トランプ氏はあえてその旗振り役を政権中枢に迎え入れる形です。
ラマスワミ氏はバイオテクノロジー分野の起業家で、2024年の共和党大統領候補指名争いにも出馬した人物です。伝統的な政治エリートではなく、企業経営やビジネスの世界から登場した2人を政府効率省の顔として並べる人事は、ワシントンの既存秩序に対抗するというトランプ氏の姿勢を改めて印象づけるものになりました。
国防長官にはピート・ヘグセット氏
トランプ氏は同じ発表の中で、国防長官にテレビ局フォックス・ニュースの司会者であり、軍歴も持つピート・ヘグセット氏を指名しました。トランプ氏はヘグセット氏を「タフでスマート、そしてアメリカ・ファーストの真の信奉者だ」と評価しています。
前政権の経験と今回の人事
トランプ氏の第1期政権では、ジェームズ・マティス氏とマーク・エスパー氏が国防長官を務めました。2人はいずれも、大統領との意見の相違から政権を去っています。マティス氏は2018年12月に辞任し、エスパー氏は2020年に解任されました。
今回、軍歴とメディアでの発信力を併せ持つヘグセット氏を選んだことは、政策だけでなくメッセージ発信も重視するトランプ氏のスタイルを反映していると見ることもできます。
国土安全保障長官にノーム氏、国境政策はホーマン氏
トランプ氏はさらに、国土安全保障長官にサウスダコタ州知事のクリスティ・ノーム氏を起用すると発表しました。ノーム氏は、かつてトランプ氏の副大統領候補の一人として名前が取り沙汰された人物でもあります。
国土安全保障長官としてのノーム氏は、大規模な不法移民の送還を含むトランプ氏の国境政策を実行する上で中核的な役割を担うとされています。トランプ氏はすでに、不法移民に厳しい姿勢で知られる元米国移民・税関執行局(ICE)長官代行のトム・ホーマン氏を国境担当トップ(ボーダー・ツァー)に起用する方針も明らかにしています。
効率化と強硬路線が同時に進む可能性
今回の一連の人事発表からは、大きく二つの方向性が読み取れます。一つは、マスク氏やラマスワミ氏の起用に象徴される、規制緩和と歳出削減を前面に押し出した政府のスリム化です。もう一つは、ヘグセット氏、ノーム氏、ホーマン氏といった顔ぶれにみられる、安全保障や移民政策での強硬な姿勢です。
ビジネスの論理で行政を効率化しようとする発想は、民間では当たり前のように語られる一方、民主主義社会の中でどこまで適用できるのかという難しい問いも含んでいます。国防や移民といった領域で、効率性だけでなく人権や同盟関係など多くの要素をどうバランスさせるのかは、今後も注目されるテーマになりそうです。
2025年末の時点で振り返ると、トランプ氏が次期政権の段階で示したこれらの人事構想は、官僚機構の改革とアメリカ・ファースト路線の一層の推進を同時に掲げたものとして、今後も米国政治や国際社会の議論の焦点の一つとなり得ます。
Reference(s):
Trump names Musk, Ramaswamy to head 'Department of Govt Efficiency'
cgtn.com








