習近平主席がAPEC・G20出席と南米訪問を終え北京帰国 中国外交の狙いは
中国の習近平国家主席が、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と20か国・地域(G20)首脳会議に出席し、ペルーとブラジルへの国賓訪問を終えて北京に戻りました。国際ニュースとして、この一連の外遊は中国外交の現在地を映し出しています。
APECとG20を経て、土曜日の朝に北京へ
報道によると、中国の習近平国家主席は土曜日の朝、専用機で北京に到着しました。今回の外遊では、第31回APECエコノミック・リーダーズ・ミーティング(APEC首脳会議)と第19回G20サミットに出席し、その前後にペルーとブラジルへの国賓訪問を行いました。
APECはアジア太平洋地域の経済協力を話し合う枠組みであり、G20は世界の主要な20か国・地域が金融・経済を中心に議論する場です。こうした多国間会議に連続して参加し、さらに二国間訪問も組み合わせる日程は、中国が経済と外交の両面で存在感を高めようとしていることを示しているとも言えます。
今回の動きはすでに完了した外遊ですが、2025年12月の今振り返ることで、これからの国際秩序や中国外交の方向性を考える手がかりになります。
蔡奇氏と王毅氏が同行 党指導部と外交の中枢
この外遊には、習主席の側近とされる要人も同行しました。同行したのは、次のようなメンバーです。
- 蔡奇(Cai Qi)氏:中国共産党(CPC)中央委員会政治局常務委員、中央弁公庁主任
- 王毅(Wang Yi)氏:中国共産党中央委員会政治局委員、外交部長(外相)
中国では、外交政策は政府だけでなく、党の指導部が大きな役割を担っています。政治局常務委員である蔡奇氏と、外交を統括する王毅氏が同じ機に乗り込んだことは、今回の外遊が党と国家の両レベルで重視されていたことをうかがわせます。
ペルーとブラジル 南米との関係をどう位置づけるか
習主席はAPECとG20への出席にあわせて、ペルーとブラジルを国賓として訪問しました。ペルーとブラジルはいずれも南米を代表する国であり、資源や市場を背景に国際経済で存在感を増している地域の一部です。
中国にとって、南米との協力は次のような意味を持つと考えられます。
- 資源やエネルギーなどの安定調達に向けた長期的なパートナーづくり
- インフラや投資を通じた経済協力の拡大
- グローバルサウスと呼ばれる新興国・途上国との連携強化
今回の国賓訪問は、そうした南米との関係をさらに深めるステップとして位置づけることができます。首脳同士が直接対話することで、経済だけでなく政治・文化面の交流にも広がりが生まれる可能性があります。
モロッコでのテクニカル・ストップ 短時間でも存在感
帰国の途上、習主席の乗った専用機はモロッコのカサブランカでテクニカル・ストップ(給油などの技術的な短時間の立ち寄り)を行いました。この際、モロッコのアズィーズ・アハンヌーシュ首相らが空港で習主席を見送りました。
本来であれば、単なる経由地となりがちなテクニカル・ストップですが、首相級が出迎え・見送りを行ったことは、モロッコが中国との関係を重視していることを印象づけるものです。短時間の滞在であっても、こうしたジェスチャーを通じて互いの信頼関係を確認することができます。
中国外交の「多層化」をどう読むか
APEC・G20といった多国間の場に出席し、ペルーとブラジルを国賓として訪問し、帰路にはモロッコの首相らによる見送りを受けて北京に戻る――今回の一連の動きからは、中国外交の「多層化」が見えてきます。
- アジア太平洋と世界経済を議論するAPEC・G20での発信
- 南米の主要国ペルー・ブラジルとの二国間関係の強化
- アフリカとアラブ世界をつなぐモロッコとの関係にも配慮した動き
それぞれは別々の出来事に見えますが、組み合わせて見ると、中国がアジア太平洋だけでなく、南米やアフリカなどさまざまな地域と同時並行で関係を深めようとしていることが分かります。
これからのニュースを読むヒント
今回取り上げた外遊そのものはすでに終わっていますが、その意味合いは2025年以降の国際ニュースを理解するうえで無視できません。今後も、APECやG20などの枠組みや、南米・アフリカとの関係をめぐる動きは続いていく可能性があります。
ニュースを追うときには、
- どの地域との関係が強調されているのか
- 多国間の会議と二国間の訪問がどのように組み合わされているのか
- 誰が同行しているのか(党指導部や外交の中枢メンバーかどうか)
といった視点を持つことで、日々の国際ニュースがより立体的に見えてきます。習近平国家主席の今回の外遊も、その一例として読むことができそうです。
Reference(s):
Xi returns to Beijing after attending APEC, G20, visiting Peru, Brazil
cgtn.com








