シンガポール与党PAP、ローレンス・ウォン首相を次期党首に推挙
シンガポールの与党・人民行動党(PAP)で、指導部交代に向けた動きが本格化しています。書記長を務めるリー・シェンロン氏は、現在のローレンス・ウォン首相を次期書記長に推す考えを示しました。長年同国を率いてきたPAPのトップ交代は、シンガポールだけでなくアジアの政治動向を考えるうえでも注目されています。
この記事のポイント
- リー・シェンロン書記長がローレンス・ウォン首相を次期PAP書記長に推挙する方針を表明
- リー氏は中央執行委員会に残り、支援・助言役を担う意向
- ウォン首相は党の刷新と「誠実・清廉・非腐敗」の価値を強調し、次の総選挙での信任獲得を呼びかけ
リー・シェンロン氏、ウォン首相を「次の書記長」に推薦へ
リー・シェンロン書記長は、人民行動党の会合で、新たに選ばれる中央執行委員会に対し、ローレンス・ウォン首相を次期書記長に選出するよう提案すると表明しました。リー氏は現在、与党PAPの書記長であると同時に、シンガポールの上級相も務めています。
ウォン氏は現在のシンガポール首相であり、2022年にはPAPの副書記長に選出されています。書記長は党のトップであり、シンガポール政治の中核を担う重要なポジションです。その座を、現職首相であるウォン氏に引き継ぐ方向性が明確になった形です。
リー氏は中央執行委員会に残り、支援役に
リー書記長は、自身も今後も中央執行委員会の一員として残り、支援と助言の役割を果たす考えを示しました。完全に第一線から退くのではなく、経験を生かして新体制を後方から支える形を取るとみられます。
長期政権を維持してきた与党で、前任トップが一定期間「相談役」として残ることは、政策の継続性や国内外への安心感につながる側面もあります。一方で、新しい指導部がどこまで独自色を出せるのかも、今後の焦点となりそうです。
ウォン首相が掲げるPAPの核心価値
ローレンス・ウォン首相は、演説の中で、人民行動党は変化する社会のニーズによりよく応えるために、常に自らを刷新していく必要があると強調しました。そのうえで、誠実さ、清廉性、そして腐敗のない政治といった核心的な価値を守り続けると述べています。
またウォン氏は、自身が率いるPAPが次の総選挙で主導的な役割を果たすとしたうえで、党員に対し「一票一票を大切にし、すべての票を勝ち取るつもりで取り組んでほしい」と呼びかけました。長年与党として政権を担ってきたPAPにとっても、国民からの信任を当然視せず、選挙戦を本気で戦う姿勢を示した形です。
長期与党PAPの世代交代が意味するもの
人民行動党は1954年に結成され、シンガポールが1965年に独立して以来、一貫して同国の与党であり続けてきました。今回の動きは、その長い歴史の中での新たな節目となる可能性があります。
日本を含むアジアの周辺国にとっても、シンガポールの指導部交代は、外交や経済協力のパートナーが変化するという意味を持ちます。とはいえ、リー氏が支援役として残り、ウォン首相も既に政権運営を担っていることから、急激な政策転換というよりは、「継続と更新」を両立させる体制づくりを目指しているように見えます。
今後、PAPの新しい中央執行委員会の構成や、次期総選挙に向けた政策の中身がどのように示されていくのかが、シンガポール政治を読み解くうえでの重要なポイントになっていきそうです。
Reference(s):
Singapore: Lee Hsien Loong supports Lawrence Wong to lead ruling party
cgtn.com








