韓国ユン大統領、戒厳令捜査の召喚に応じず 検察が再召喚へ
韓国で弾劾中のユン・ソクヨル大統領が、戒厳令問題をめぐる特別検察チームの召喚要請に応じず、検察が再び召喚状を送る方針であることが分かりました。大統領の非常権限の使い方と民主主義のガバナンスが、改めて問われています。
ユン大統領、初回の召喚に出廷せず
大統領による戒厳令発動を捜査している特別検察チームは、ユン・ソクヨル氏に対し、ソウル中央地方検察庁での事情聴取に応じるよう召喚状を送付しました。韓国メディアによると、この召喚状は12月11日付でユン氏の事務所に送られ、検察は配送の完了を確認していたとされています。
召喚状は、日曜日の午前10時に出頭するよう求める内容でしたが、ユン氏は姿を見せず、出頭要請に応じませんでした。検察側は近く、2回目の召喚状を送る方針だとしています。
焦点となる「戒厳令」発動
ユン氏は、短期間で解除されたものの、大きな議論を呼んだ緊急戒厳令の発動をめぐって、国会で弾劾訴追を受け、大統領としての職務を停止されています。
戒厳令は、本来は戦争や深刻な社会混乱などの非常時に、軍の権限を一時的に拡大する制度です。しかし報道によれば、ユン氏はこの非常措置を、憲法や法律に反する目的で利用した疑いをかけられています。
具体的には、軍の指揮官に対し、国会(国会議事堂)への部隊派遣や、主要な政治家の拘束を命じようとしたとされ、権力の乱用があったかどうかが捜査の中心となっています。
弾劾と捜査の現在地
ユン氏に対する弾劾訴追案は、国会の採決によって土曜日に可決されました。この決定により、ユン氏は「弾劾中の大統領」として職務を一時停止されており、今後、定められた憲法上の手続きに沿って罷免の可否が判断される見通しです。
一方で検察は、軍側の責任追及も進めています。韓国メディアの報道によると、陸軍特殊戦司令官や首都防衛司令官など、複数の高級将校について逮捕状を請求しており、警察と協力して戒厳令の布告に関わった軍指揮官らから事情聴取を行っているとされています。
韓国民主主義へのインパクト
軍を動員して国会や政治家に圧力をかけようとした疑いが持たれている以上、今回の戒厳令問題は、単なる「手続き上のミス」ではなく、民主主義の根幹に関わる事案だといえます。
- 大統領の非常権限にどこまで歯止めをかけるのか
- 軍の政治的中立性をどう担保するのか
- 国会や司法が行政府の暴走をどのように抑え込むのか
こうした問いが、韓国社会の中で改めて議論されています。
日本の読者が考えたいポイント
日本からこのニュースを見るとき、単なる「隣国の政局」として片づけてしまうのはもったいないかもしれません。非常時を名目に、どこまで権力を集中させてよいのかというテーマは、多くの国に共通するからです。
非常事態宣言や安全保障に関わる制度は、一度強化されると、平時に元へ戻すのが難しい場合があります。今回の韓国のケースは、「非常措置」を誰がどのようにチェックすべきなのかを考える材料にもなります。
ユン氏が今後、検察の再召喚に応じるのか、軍高官への捜査がどこまで進むのか。そして弾劾手続きの行方はどうなるのか。韓国民主主義の制度設計という視点からも、引き続き注視していきたい動きです。
Reference(s):
Prosecutors say Yoon defied summon order in martial law probe
cgtn.com








