韓国野党・李在明氏、韓悳洙首相の弾劾を当面見送り video poster
韓国の尹錫悦大統領が国会の弾劾訴追で職務停止となる中、最大野党「共に民主党」を率いる李在明氏は、現時点で韓悳洙首相に対する弾劾は求めない考えを示しました。韓国政治の行方を占う重要な国際ニュースとなっています。
今、韓国で何が起きているのか
現地時間の週末、韓国の国会は、尹錫悦大統領による戒厳令の導入を巡る不手際を理由に弾劾訴追案を可決し、大統領は職務を一時停止しています。
韓国では憲法上、大統領が弾劾訴追で職務停止となった場合、首相が大統領職務の代行を務めます。現在は韓悳洙首相が、事実上の国家元首として国政のかじ取りを担っており、韓国政治は大きな転換点を迎えています。
李在明氏「韓悳洙首相の弾劾は当面検討せず」
こうした中、最大野党「共に民主党」(Democratic Party of Korea)の李在明代表は、日曜日の記者会見で、自身が率いる野党として韓悳洙首相に対する弾劾は「当面、検討しない」と表明しました。
李氏は、前日に韓首相と電話で協議した際、国政を中立的な立場で運営することの重要性を強く求めたと説明しています。大統領が不在の中で、首相が特定勢力に偏らず、憲法と法に基づいて権限を行使するよう念押しした形です。
今回の発言により、李氏が少なくとも現時点では、韓首相に対する弾劾を通じて政権を一気に追い込むよりも、まずは「中立的な国政運営」を引き出すことを優先している様子が浮かび上がります。
なぜ韓悳洙首相の弾劾見送りが重要なのか
尹大統領が職務停止となった直後のタイミングで、首相の弾劾を求める声が高まれば、韓国の政治システム全体が混乱に陥るリスクがあります。李氏が「当面は弾劾を求めない」と明言したことには、次のような意味合いがあると考えられます。
- 国家の指導部が同時に空白となる事態を避け、最低限の統治機能を維持する
- 国内外の市場や国際社会に対し、韓国政治が全面的な混乱には陥っていないというメッセージを送る
- 韓首相に対し、中立的な国政運営を行うよう圧力をかけつつ、その実行ぶりを見極める余地を残す
特に、経済や安全保障に不確実性が高まる中で、行政府のトップが次々と弾劾対象となれば、国民生活や国際的な信頼に大きな影響が出かねません。野党側があえて一歩引いた姿勢を示したことは、短期的な政権交代よりも、制度の安定を一定程度重視する判断とも受け止められます。
今後の焦点:尹大統領の弾劾審理と韓首相の役割
今後の韓国政治を見通すうえでは、少なくとも次の点が焦点となりそうです。
- 尹錫悦大統領に対する弾劾が、どのようなスケジュールと判断で進むのか
- 大統領職務を代行する韓悳洙首相が、実際にどこまで「中立的な」国政運営を実現できるのか
- 最大野党「共に民主党」が、韓首相の対応をどう評価し、今後の戦略をどう調整していくのか
韓首相が今後の政権運営で与党寄りの姿勢を強めたり、弾劾を受けた尹大統領の路線を色濃く引き継いだりする場合、野党や世論から、再び責任を問う動きが強まる可能性もあります。一方で、国会との対話を重視し、中立性を保とうとする姿勢を具体的な行動で示せるかどうかも注目されます。
日本の読者にとってのポイント
日本からこの国際ニュースを見るとき、重要なのは、韓国でいま起きているのが単なる政局の内輪もめではなく、弾劾制度や首相による職務代行といった憲法上の仕組みが、実際にどう機能するのかが試されている局面だという点です。
李在明氏が韓悳洙首相の弾劾を当面見送る判断を示したことで、韓国政治は「急激な対決」から「緊張をはらんだ共存」へと、一時的に重心を移したともいえます。今後、韓国国会と行政府の関係がどのように変化し、アジア地域の政治や経済にどんな影響が及ぶのか、日本の読者としても注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
S. Korean opposition party: Not to seek impeachment against Han now
cgtn.com








