韓国で特別検事法めぐり攻防 代行大統領に公布要求
ユン大統領夫妻巡る特別検事法、公布をめぐり韓国政治が緊迫
韓国の国会がユン・ソクヨル大統領と金建希(キム・ゴニ)氏を対象とする特別検事法を相次いで可決し、最大野党がハン・ドクス代行大統領に早期公布を迫っています。特別検事による捜査を認めるかどうかは、韓国政治の緊張をさらに高める可能性があります。
野党が代行大統領に「火曜日までの公布」を要求
韓国の最大野党である「共に民主党」のパク・チャンデ院内代表はきのう(日曜日)、ハン・ドクス代行大統領に対し、特別検事法をあす(火曜日)までに公布するよう求めました。韓国の通信社・聯合ニュースによりますと、パク氏は、期限までに公布が行われない場合はハン代行の責任を追及する姿勢も示したとされています。
要求の対象となっているのは、弾劾されたユン・ソクヨル大統領と、ファーストレディである金建希氏をそれぞれ捜査対象とする特別検事法です。どちらも今月、韓国の国会(国会議事堂)で可決されました。
二つの特別検事法、何を調べようとしているのか
今回可決された特別検事法は、ユン大統領本人と金建希氏をめぐる別々の疑惑を対象としています。
- ユン大統領に関する法案:ユン大統領が戒厳令を宣言した経緯について、「内乱」にあたる行為やその他の違法行為がなかったかどうかを調べる特別検事を任命する内容
- 金建希氏に関する法案:金氏が関与したとされる株価操作疑惑と、ブローカーを通じて選挙の公認に介入したとされる疑惑について、特別検事が捜査することを定めた内容
特別検事(スペシャルカウンセル)は、通常の検察から一定の距離を置いた独立した捜査機関として設けられる制度で、政権中枢や大統領家族に関する事件で活用されることが多い仕組みです。
「可決」だけでは終わらない 焦点は「公布」
韓国では、国会が法案を可決しても、大統領(あるいは大統領権限代行)が公布しなければ法律として効力を持ちません。そのため、今回の特別検事法は、
- 国会が可決したという「立法の意思」
- 大統領側が最終的に公布するかどうかという「政治判断」
この二つが正面からぶつかる構図になっています。
ユン大統領はすでに弾劾されており、現在はハン・ドクス氏が大統領権限を代行しています。野党側は、「本人とその家族が対象となる捜査法案だからこそ、代行が速やかに公布すべきだ」と主張している形です。
韓国政治の「3つのポイント」
1.権力監視の制度としての特別検事
特別検事制度は、本来は権力から独立した立場で捜査を行い、政治への信頼を補うための仕組みです。一方で、与野党の対立が激しい局面では、「相手陣営を追及するための政治的なカード」と見なされることもあり、制度の運用をめぐる議論がつきまといます。
2.「大統領夫妻」への厳しい視線
今回の特別検事法は、大統領本人だけでなく配偶者である金建希氏も捜査対象に含まれています。株価操作や公認介入の疑いが取り沙汰される中で、韓国社会では「権力と私的利益の線引き」をどう考えるかが改めて問われています。
3.弾劾後の統治と説明責任
弾劾された大統領をめぐる捜査法案を、代行大統領が公布するかどうかという状況は、制度上は想定されているプロセスですが、政治的には非常に難しい判断です。
- 公布すれば、前政権トップとその家族への捜査が本格化する
- 公布を見送れば、「権力側の自己防衛」との批判が強まる可能性がある
ハン代行がどのような決断を下すのかは、韓国の民主主義のあり方を占う試金石としても注目されています。
今後の注目点
あすの公布期限を前に、焦点となるポイントを整理すると次のようになります。
- ハン・ドクス代行大統領が特別検事法を期限までに公布するかどうか
- 公布されない場合、最大野党がどのような形で「責任追及」に動くのか
- 特別検事が任命された場合、捜査がどの範囲まで広がるのか
韓国政治の動きは、日本を含む周辺の国と地域の外交や経済にも影響を与える可能性があります。オンラインでニュースを追う私たちにとっても、「権力をどう監視し、誰がどのように説明責任を果たすべきか」というテーマは、身近な政治課題として考える価値がありそうです。
Reference(s):
S. Korea's acting president urged to promulgate special counsel bills
cgtn.com








