中国とイタリアが経済協力を再確認 「中国企業イタリア発展報告2024」発表
中国とイタリアの政府・企業関係者が、ミラノで発表された「中国企業イタリア発展報告2024」を通じて、経済協力の深化と相互繁栄へのコミットメントを改めて確認しました。
ミラノで「中国企業イタリア発展報告2024」を発表
イタリア北部ロンバルディア州の州都ミラノで、中国企業のイタリアでの活動を分析した「中国企業イタリア発展報告2024」の発表イベントが開催されました。会場には、中国とイタリアの官民からおよそ150人が集まり、両国の経済協力の現状と今後について意見を交わしました。
報告書は、在イタリア中国商会である中国商会(CCCIT)が取りまとめたもので、会長の厳東氏が発表の場で、中国企業がイタリアにおいて投資や税収、雇用の面で重要な役割を果たしていると強調しました。その一方で、保護主義的な政策や規制上の制約といった課題にも直面していると指摘しました。
報告書が示す中国企業の今
今回の報告書は、CCCITに加盟する92社の調査データに基づき、イタリアで事業を展開する中国企業を包括的に分析した初の試みとされています。企業の経営状況、貢献、課題を体系的に整理し、イタリアのビジネス環境改善に向けた提言をまとめています。
内容は特に次の3点に焦点を当てています。
- 投資、税収、雇用などを通じた中国企業の経済的貢献の可視化
- 保護主義的な政策や規制上の制約が企業活動に与える影響の整理
- 雇用、企業運営、規制環境といった分野での制度改善への提言
厳氏は、報告書が中国企業とイタリア側双方の理解を深め、今後の二国間協力をさらに促進する一助になるとの期待を示しました。
両国当局が強調した「協力」と「安定」
在ミラノ中国総領事のリウ・カン氏は、報告書を政策担当者やビジネスリーダーにとって有益な資料だと評価したうえで、中国は平和的な発展と相互繁栄に引き続きコミットしていると述べました。さらに、中国はイタリアや世界と発展の機会を共有し、世界の自由貿易を守り、産業およびサプライチェーンの安定を確保する用意があると強調しました。
イタリア側からは、企業・メイド・イン・イタリー省のアンドレア・タベラ氏が登壇し、同省として中国商会との連携を一層強化し、相互の成長機会を広げていく方針を示しました。タベラ氏は、今回の報告書がイタリアで活動する中国企業にとって実務的な指針となるとの見方を示しています。
ロンバルディア州の戦略的な位置づけ
ロンバルディア州政府のラファエレ・カッタネオ事務総長は、同州が中国とイタリアの経済関係において戦略的な役割を担っていると説明しました。州には、イタリアにおける中国からの投資の半分以上が集まっているとされています。
また、今回の調査に回答した企業のうち6割超が、今後3年間にロンバルディア州での投資拡大を計画していることも明らかになりました。中国企業にとって同地域が引き続き重要な拠点であり続ける可能性をうかがわせます。
在イタリア中国商会「CCCIT」とは
CCCITは2021年に設立された、中国企業を代表する唯一の公式団体とされており、現在は金融、通信、テクノロジー、製造業など幅広い分野から120社以上が加盟しています。今回の報告書は、そうした会員企業の声を集約したものです。
これからの中国・イタリア経済協力をどう見るか
今回の発表イベントでは、両国が経済協力の継続と深化を確認すると同時に、保護主義的な政策や規制上の制約といった課題の存在もあらためて浮き彫りになりました。
重要なのは、企業が実際にどれだけ投資し、雇用や税収にどう貢献しているのかというデータをもとに、ビジネス環境やルールをどう整えていくかという点です。報告書は、そのための議論に必要な素材を提供するものだと言えます。
今後は、次のような点に注目が集まりそうです。
- 報告書の提言がイタリアの政策や制度設計にどのように生かされるか
- 保護主義的な動きと企業活動の活発化とのバランスをどう取るか
- 自由貿易とサプライチェーン安定化に向けて、中国とイタリアがどのような役割を果たしていくか
ミラノ発のこの報告書は、中国とイタリアの二国間関係だけでなく、より広い国際経済の行方を考えるうえでも、一つの参考資料となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








