韓国ユン・ソクヨル大統領の弾劾裁判 初公判欠席表明と安全懸念【国際ニュース】
韓国のユン・ソクヨル大統領が弾劾裁判の初公判を欠席する意向を示し、安全上の懸念が韓国政治の行方を占う新たな焦点となっています。
弾劾裁判初公判をめぐる「欠席」表明
2025年1月14日に予定されていた弾劾裁判の初公判(火曜日)を前に、ユン大統領の弁護人であるユン・ガプグン氏は、日曜日に記者団に対し、大統領が初公判に出席しない方針だと明らかにしました。
弁護側によると、大統領の身柄に対して逮捕状の執行が試みられている状況が続いており、「安全」や「予期せぬ事態」の可能性への懸念が残っているといいます。ユン氏が出廷するには、安全対策と警備体制が十分に整えられることが前提だと強調しました。
背景にある弾劾と戒厳令宣言
今回の弾劾裁判は、2024年12月14日に韓国の国会で可決された弾劾訴追案に基づいています。訴追案が憲法裁判所に送られたことで、最大180日間に及ぶ審理期間のあいだ、ユン大統領の権限は停止されました。
ユン大統領は、内乱の首謀者として捜査対象となっており、2024年12月3日の夜には戒厳令を宣言しましたが、数時間後に国会がこれを無効としました。非常事態宣言と議会による即時の対応は、民主主義体制における権力の制約や統制のあり方をめぐって、国内外で大きな議論を呼びました。
逮捕状執行をめぐる攻防
弾劾訴追後も、大統領をめぐる捜査は続いています。高位公職者の汚職などを専門に扱う捜査機関CIO(Corruption Investigation Office for High-ranking Officials)と、警察の捜査部門である国家捜査本部(NOI)は、罷免中のユン大統領に対する逮捕状の執行を試みてきました。
2025年1月3日には、捜査当局が大統領公邸でユン氏の身柄確保を試みましたが、大統領警護室が逮捕状の執行を阻止し、逮捕には至りませんでした。その後、ソウルの裁判所は2回目となる逮捕状を発付し、その有効期間を延長したとされています。
憲法裁判所の審理と韓国政治への影響
憲法裁判所は、弾劾裁判の初公判を2025年1月14日に開き、その後も1月16日、21日、23日、さらに2月4日に審理を重ねる日程をあらかじめ組んでいました。弾劾審理は最大180日間とされており、当時は長期にわたる「権限停止状態」が続くことで、政権運営や外交・経済政策への影響が懸念されていました。
大統領の出廷をめぐる問題は、司法の独立、大統領の安全確保、治安機関による捜査という三つの要素がぶつかり合う構図を映し出しています。どこまで強制捜査を進めるのか、そして憲法秩序をどう守るのかという問いが、韓国社会全体に突きつけられたかたちです。
私たちが注目したいポイント
- 大統領が自らの弾劾裁判の場に出廷するかどうかは、民主主義における「説明責任」の象徴的な意味を持ちます。
- 戒厳令宣言や逮捕状の執行阻止など、権力機関同士の緊張関係は、憲法秩序と法の支配のあり方を改めて問い直しています。
- 日本を含む周辺の国や地域にとっても、韓国政治の安定は安全保障や経済協力に直結するテーマであり、中長期的な視点で動向を追うことが重要です。
短期間に大きな動きが相次いだ今回の弾劾プロセスは、最終的な結論だけでなく、そのプロセスや制度の仕組みを見ることで、より立体的に理解することができます。SNSでニュースを共有したり意見を交わしたりする際にも、こうした経緯や文脈を踏まえながら、自分なりの視点をアップデートしていきたいところです。
Reference(s):
South Korean president to skip 1st hearing of impeachment trial
cgtn.com








