UAE大統領がシリア主権支持を再確認 電話会談で示した中東外交の今
UAE(アラブ首長国連邦)のモハメド・ビン・ザイード大統領がシリアの主権と領土一体性への支持を改めて表明しました。中東での勢力関係が揺れ動くなか、シリアと湾岸諸国の距離が縮まりつつあります。
UAE大統領、電話会談でシリアの主権支持を再確認
UAEの国営通信によると、モハメド大統領は金曜日、シリアの事実上の指導者とされるアフメド・アルシャラー氏と電話会談を行い、シリアの独立と、シリア全土にわたる主権の尊重を支持する姿勢を改めて示しました。
両者は、UAEとシリアの二国間関係をどのように強化していくかを協議し、共通の関心分野に焦点を当てたとされています。
焦点は「主権」と「シリア国民の生活」
モハメド大統領は会談の中で、シリアの人々への揺るぎない支援を強調しました。そのうえで、次のような点を重視するとしています。
- シリアの安全と治安の回復
- 地域全体の平和と安定の促進
- シリアの人々が尊厳ある生活を送れる環境づくりの支援
UAEが「尊厳ある生活」という表現まで用いて支援を語るのは、支援が単なる経済協力にとどまらず、生活再建や福祉の側面も意識していることを示していると見ることができます。
先月の政権交代後、シリア外交が一気に加速
シリアでは先月、政権が交代しました。この変化を受けて、シリアをめぐる地域外交は一気に動き始めています。
報道によると、トルコとカタールの代表団がダマスカスを相次いで訪問したほか、シリアの暫定外相アサアド・アルシバニ氏もサウジアラビア、カタール、UAE、ヨルダンを歴訪しています。こうした一連の動きは、
- 地域の主要国との関係を再構築すること
- 欧米による制裁の解除や緩和を働きかけること
を主な目的としているとみられます。
UAEが果たしうる役割とは
湾岸諸国の一員であり、外交面で存在感を高めてきたUAEがシリアに明確なメッセージを送ったことは、地域の力学にも影響を与えそうです。
UAEとシリアの関係強化は、
- シリアの再建プロセスに湾岸資本が関与する可能性
- 中東地域内での対話と調整の枠組みが広がる可能性
などにつながる可能性があります。一方で、欧米による制裁が続くなか、各国がどこまで踏み込んだ協力を行えるのかは不透明な部分も残ります。
これからの注目ポイント
今回の電話会談は、シリアの新たな外交フェーズの一コマにすぎませんが、中東情勢を考えるうえでいくつかの論点を投げかけています。
- UAEとシリアの協力が具体的な経済・復興プロジェクトに発展するか
- トルコやカタール、サウジアラビア、ヨルダンとの関係再構築がどこまで進むか
- 欧米の制裁に変化が生じるか、あるいは地域主導の枠組みが強まるか
中東の国際ニュースとして、シリアをめぐる動きは今後も日本から注視しておきたいテーマです。シリアの主権をめぐる外交メッセージの裏側には、地域秩序の再編という、より大きな物語が進行している可能性があります。
Reference(s):
cgtn.com








