中国とスイスが戦略パートナーシップ強化へ WEF2025で高官会談
中国の丁薛祥副総理は世界経済フォーラム(WEF)年次総会2025に合わせてスイスの要人と相次いで会談し、中国とスイスの革新的戦略パートナーシップをさらに推進していくことで一致しました。国交樹立75周年と国連創設80周年を迎える2025年に、両国関係をどう位置づけるのかが注目されています。
WEF年次総会2025の場で高官会談
丁薛祥副総理(中国共産党中央政治局常務委員)は、世界経済フォーラム(WEF)年次総会2025の場で、スイス連邦大統領で財務相でもあるカリン・ケラー・ズッター氏、副連邦大統領で経済・教育・研究相のギー・パルムラン氏と月曜と火曜にそれぞれ会談しました。
双方は、中国とスイスの革新的戦略パートナーシップを一段と発展させることで一致し、高いレベルでの対話と実務協力を続けていく方針を確認しました。
75周年を迎えた中国・スイス関係
丁副総理は、スイスが中華人民共和国を早い段階で承認し国交を樹立した西側諸国の一つであることを強調し、両国関係は社会制度や発展段階、国の規模が異なる国同士でも、相互尊重と互恵協力が成り立つことを示すものだと評価しました。
また、2017年の習近平国家主席によるスイス公式訪問を振り返り、この訪問で両国首脳が重要な共通認識に達し、二国間関係が新たな段階に引き上げられたと述べました。
2025年は中国とスイスの国交樹立75周年にあたります。丁副総理は、両国首脳間で達した共通認識を着実に実行に移し、政治的な相互信頼を深めつつ、平等・イノベーション・互恵という中国・スイス協力の精神を引き続き受け継ぎ、革新的戦略パートナーシップをさらに発展させていくよう呼びかけました。
自由貿易協定の高度化と新たな成長分野
丁副総理は、両国の友好的な交流と互恵的な協力は、中国とスイスの人々の根本的な利益に合致するとともに、国際社会の期待にも沿うものだと指摘しました。そのうえで、次のような具体的な方向性を示しました。
- 首脳級を含むハイレベル交流を維持し、既存の二国間対話メカニズムを積極的に活用する
- 互いの立場への理解を深め、相手の中核的利益や重大な関心事項について支持し合う
- 強みの補完関係を生かし、自由貿易協定のアップグレード交渉を加速し、早期に実質的成果を目指す
さらに、生命科学、人工知能(AI)、グリーン技術といったイノベーション分野で協力を強化し、実務協力の新しい成長分野を育てていく考えを示しました。金融分野の連結性を深めることや、人と人との交流を拡大することも提案しました。
多国間協調とスイスの中立性
丁副総理は、永世中立国であり多くの国際機関の本部を抱える国として、国際・地域情勢におけるスイスの独自の役割を高く評価しました。2025年は国連創設80周年でもあり、中国はスイスとの既存の枠組みやチャネルを活用して、多国間問題や国際・地域の热点問題について意思疎通と立場の調整を続けていく意思を表明しました。
また、真の多国間主義を共に実践し、人類が共に繁栄する未来をめざす共同体の構築に貢献していきたいとの考えを示しました。
スイス側のメッセージ 自由貿易と開放性を強調
ケラー・ズッター大統領は、スイスが中国との友好関係を重視していると述べ、国交樹立75周年とスイス・中国文化観光年を共に祝いつつ、スイスと中国の革新的戦略パートナーシップを一層高いレベルに引き上げたいと語りました。
スイスと中国はいずれも、自由貿易を支持し保護主義に反対するという点で立場を共有しているとし、スイス・中国自由貿易協定の成功は、開放と協力を通じて互恵が実現できることを示すものだと評価しました。自由貿易協定のアップグレードを通じて、実務協力を強化し、経済発展と繁栄を共に促進したいとしています。
パルムラン副連邦大統領は、中国とスイスの経済的な強みが補完的であり、共通の利益も広範に存在すると指摘しました。特に、イノベーション、金融、高等教育、職業訓練などの分野で大きな協力の可能性があると述べました。
また、グローバルな課題に共に対応するため、多国間の場での意思疎通と調整を強めたいとしたうえで、人と人との交流をさらに促進し、両国の友好関係を深めていく意向も示しました。
日本の読者にとっての意味
今回の中国とスイスの動きは、日本にとっても無関係ではありません。イノベーションやグリーン技術、金融といった分野で両国の協力が進めば、サプライチェーンや国際的なルール形成にも影響を与える可能性があります。
- 自由貿易協定の高度化は、保護主義が議論される中で、開放的な経済連携の一つのモデルとなり得る
- AIや生命科学、環境技術への投資と協力は、国際競争力やルールづくりにも直結するテーマ
- 中立国スイスと中国による多国間協調の呼びかけは、国連創設80周年の節目における国際秩序の行方を考える材料となる
通勤時間やスキマ時間にニュースをチェックする日本の読者にとっても、中国とスイスの戦略パートナーシップ強化は、今後の国際経済と多国間協調の流れを見通すうえで押さえておきたいトピックと言えます。
Reference(s):
China, Switzerland vow to further promote strategic partnership
cgtn.com








