トランプ米大統領、インドの高関税を批判 相互関税と防衛取引拡大を表明
米国のドナルド・トランプ大統領は、ホワイトハウスでインドのナレンドラ・モディ首相と会談後の共同記者会見で、インドの高い関税を厳しく批判し、米国も同水準の関税を課す「相互関税」で対抗する方針を示しました。あわせて、防衛装備品やエネルギーの対インド輸出を大幅に拡大し、2030年までに米印の貿易総額を5000億ドル規模に引き上げる目標も共有しています。
ホワイトハウス会見で「相互国家」を強調
トランプ大統領は記者会見で、米国は「相互主義の国」になったと強調し、他国が米国に課しているのと同じ水準の料金を、米国も相手国に課すと述べました。つまり、自国の輸入品に高い関税をかける国に対しては、米国も同じ税率の関税をかけるという考え方です。
今回の会談に先立ち、トランプ大統領は、貿易相手国に互恵的な関税を課すことを柱とするフェア・アンド・レシプロカル・プラン(Fair and Reciprocal Plan)に関する大統領覚書に署名しました。ホワイトハウスの説明資料では、インドの最恵国待遇(MFN)関税の平均税率が39%とされ、「不公平な」取引関係の一例として示されています。
「インド市場は売り込みが難しい」 第一期からの不満
トランプ大統領は、インド市場について「貿易障壁があるため、インドへ売り込むのは難しい」と語り、自身の第一期目の在任中からインド側に関税引き下げを求めてきたと振り返りました。しかし、十分な譲歩を得られなかったとして「今度はもっと簡単な方法を取る」と述べ、相互関税による対応に踏み切る考えを明らかにしました。
今回の発表のポイント
- インドの高い平均関税(MFNベースで39%)を「不公平」と批判
- 米国は同水準の関税を課す相互関税で対抗する方針
- インド向け防衛装備品の販売を今年から数十億ドル規模で拡大
- 将来的にF-35ステルス戦闘機の供与への道筋も示唆
- インドはハーレーダビッドソン製バイクの関税引き下げなど一定の譲歩
- 双方は2030年までに貿易額を5000億ドル超へ拡大する目標で一致
防衛・エネルギー分野での連携強化
トランプ大統領は、今年からインド向けの米国製防衛装備品の販売を「数十億ドル規模」で増やすと表明しました。さらに、将来的には最新鋭のF-35ステルス戦闘機をインドに提供する道を開くと述べましたが、具体的な納入時期や条件については明らかにしていません。報道によれば、インドは2008年以降、累計で200億ドル超の米国製防衛装備品の購入に合意しているとされ、今回の方針によりその規模はさらに膨らむ可能性があります。
またトランプ大統領は、モディ首相が米国からの石油・天然ガスの輸入拡大に合意したと明かし、米国がインドにとって「最大のエネルギー供給国」となる可能性に言及しました。防衛とエネルギーの両分野で取引を拡大することで、米印の戦略的な結びつきを一層強める狙いがうかがえます。
インド側の譲歩と2030年の貿易目標
モディ首相の訪米に先立ち、インド側は通商摩擦の緩和に向けて、米ハーレーダビッドソン製オートバイにかかる関税を引き下げるなど、一部で譲歩を示してきました。記者会見でモディ首相は、米印の二国間貿易について「2030年までに現在の2倍以上、5000億ドル規模へ引き上げることを目標にしている」と述べ、長期的な経済連携の拡大に意欲を示しました。
「公平な貿易」と保護主義のはざまで
米国の相互関税方針は、一方では「相手国と同じ条件で競争するための公平なルール」として支持を集める一方、他方では貿易摩擦を激化させ、グローバルなサプライチェーンを揺るがす可能性があるとの懸念も生んでいます。今回の米印関係の動きは、関税をめぐる交渉がどこまで「公平な競争条件」の確保なのか、それとも新たな保護主義なのかという問いを、改めて国際社会に投げかけています。
日本を含むアジアの国々にとっても、米印の通商・安全保障関係の行方は無関係ではありません。今後、相互関税が実際にどの水準で導入されるのか、防衛・エネルギー取引がどこまで拡大するのかを注視することが、国際ニュースを読み解く上で重要になりそうです。
Reference(s):
Trump slams India's high tariffs, vows to charge reciprocal levies
cgtn.com








