G20外相会合で中国と豪州が関係安定を確認 王毅氏「核心的利益の尊重を」
南アフリカのヨハネスブルクで開かれているG20(主要20か国・地域)外相会合の場で、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相(中国共産党中央政治局委員)とオーストラリアのペニー・ウォン外相が会談しました。両国関係の安定化が進むなかで、中国側はあらためて「核心的利益」の尊重を求めています。
G20外相会合の場で中国・豪州外相が会談
会談はG20外相会合の合間に行われ、中国側からは王毅外相が、豪州側からはペニー・ウォン外相が出席しました。両外相は二国間関係や国際情勢について意見を交わしました。
「一つの中国」原則と「核心的利益」の尊重を要請
王毅外相は、オーストラリアがこれまで繰り返し「一つの中国」原則へのコミットメント(関与)を示してきたことを評価するとしたうえで、今後も中国の核心的利益と重大な関心事項を尊重し、両国関係の政治的土台を守りつつ、対立点を適切に管理していくよう求めました。
中国が言う「核心的利益」とは、国家の主権や安全、発展にかかわる最も重要な関心事項を指す言葉で、中国との関係を築くうえで他国に対して一貫して強調してきたポイントです。今回の発言は、二国間関係が安定しつつある今こそ、その土台を改めて強調した形とも言えます。
中豪関係は「安定化」し、戦略的パートナーシップの深化を確認
王毅外相は、両国の指導者による戦略的な方向づけのもとで、中国とオーストラリアの関係は安定してきていると述べました。そのうえで、関係が「健全で安定した発展の軌道」に戻ることは、双方の共通利益にかなうだけでなく、両国の人々の願いにも合致すると強調しました。
中国側は、オーストラリアとともに、より成熟し、安定し、実りある包括的戦略パートナーシップの構築を進めていく用意があるとしています。
豪州側は「関係の前向きな進展」と貿易の回復を評価
これに対し、ペニー・ウォン外相は、現在、中国とオーストラリアの間ではさまざまな分野で前向きな進展が見られ、とくに経済・貿易関係が完全に回復し、ポジティブなシグナルを発していると評価しました。
オーストラリアは「一つの中国」政策を堅持するとともに、それぞれの国益に資する分野で中国との協力を強化し、国際法に基づく秩序や戦略的安定を守りながら、地球規模の課題に共に取り組む意思を示しました。
「真の多国間主義」と国連中心の国際秩序を強調
王毅外相は、現在の国際情勢が複雑で不安定さを増していると指摘し、中国としては、すべての国が「真の多国間主義」を実践すべきだとの立場をあらためて示しました。とくに大国は、歴史の流れを逆行させようとする動きに断固として反対し、「弱肉強食」の国際秩序に戻ることを拒まなければならないと強調しました。
また中国は、オーストラリアを含む国際社会と共に、第2次世界大戦の勝利の成果を守り、国連を中心とする国際システムを維持していく用意があるとしました。
今回の会談から見える3つのポイント
今回の中国・オーストラリア外相会談からは、次のようなポイントが見えてきます。
- 二国間関係は「安定化」のフェーズに入り、包括的戦略パートナーシップを一段と成熟させる方向性が示されたこと
- 中国側が「一つの中国」原則と「核心的利益」の尊重をあらためて前面に出し、政治的土台の維持を最優先に据えていること
- 豪州側が経済・貿易関係の回復を歓迎しつつ、多国間の枠組みや国際法に基づく秩序のなかで中国との協力を深めようとしていること
G20外相会合という多国間の場で、中豪両国がそれぞれの立場を示しながらも、「真の多国間主義」や国連中心の国際システムの重要性で重なるメッセージを発したことは、今後の国際ニュースの流れを読むうえでも注目しておきたい点です。
Reference(s):
cgtn.com








