トランプ米大統領とゼレンスキー大統領、舌戦の末に初会談へ video poster
トランプ米大統領とゼレンスキー大統領、舌戦の末に初会談へ
ロシアとウクライナの紛争が始まって3年。ウクライナのゼレンスキー大統領が木曜日に米国入りし、トランプ米大統領と金曜日に予定される初の対面会談に臨みます。サウジアラビアでの米露高官協議をきっかけに両首脳の間で激しい言葉の応酬が続くなかでの会談は、紛争の行方だけでなく、レアメタル協定を含む米ウクライナ関係の今後を占う重要な局面となります。
- サウジでの米露協議から始まった両首脳の舌戦
- ウクライナ不在の和平協議をめぐる深い不信
- レアメタル協定と紛争終結への道筋が会談の焦点に
トランプ政権発足後初の対面会談へ
今年1月20日に就任したトランプ米大統領とゼレンスキー大統領が直接顔を合わせるのは、今回が初めてです。ゼレンスキー大統領は木曜日に米国に到着しており、金曜日に予定される会談では、レアメタル(希少鉱物)に関する協定が主要な議題になるとみられています。
レアメタルは、電気自動車用バッテリーやスマートフォン、再生可能エネルギー関連機器など、現代のデジタル経済や脱炭素化を支える重要資源です。ウクライナが持つ資源と米国の技術・資本をどう結びつけるのかは、両国だけでなく世界のサプライチェーンにも影響を与えうるテーマです。
サウジでの米露会合が火種に
両首脳の関係がこじれ始めたのは、今年2月18日にサウジアラビアで開かれたロシアと米国の高官による協議でした。ロシアとウクライナの紛争を終結に向かわせる道筋を話し合う場でしたが、当事者の一方であるウクライナは招かれませんでした。
この動きに反発したゼレンスキー大統領は、翌19日に予定されていたサウジ訪問を延期し、交渉はウクライナの背中で行うべきではないと強い言葉で批判しました。ウクライナを抜きにした形で和平の枠組みが議論されることへの危機感がにじみます。
トランプ氏の強硬なメッセージ
こうしたゼレンスキー大統領の反応に対し、トランプ大統領はフロリダ州の私邸マー・ア・ラゴで記者団に、紛争終結に向けて以前よりもはるかに自信を持っていると語りました。そのうえで、ウクライナが協議の場にいなかったことについて問われると、ウクライナはこの3年間、そしてそれ以前からも十分に席を持ってきた、本来なら簡単に解決できたはずだと述べ、責任の一端はキーウ側にあるとの考えをにじませました。
さらにトランプ大統領は、ゼレンスキー大統領の支持率が4パーセントまで落ち込んでいると主張し、大統領の任期はとっくに切れているとしてウクライナでの大統領選挙の実施を求めました。ウクライナでは、紛争の影響で本来2024年に予定されていた大統領選挙が延期されており、トランプ氏の発言は国内政治にまで踏み込む異例のメッセージとなりました。
ゼレンスキー氏の反論と米露接近への警戒
トランプ大統領の一連の発言を受けて、ゼレンスキー大統領も強い口調で応じました。トランプ氏がロシア発の偽情報を鵜呑みにしていると批判し、新政権に対するこれまでで最も厳しいトーンのコメントを発表しました。
ゼレンスキー大統領は、記者団に対し、米国はプーチン大統領が長年の孤立から抜け出すのを助けてしまったと述べ、米露の接近がウクライナの安全保障を損なうのではないかという懸念をにじませました。また、トランプ政権の担当者に対して、発言内容をより正確かつ誠実なものにするよう求めました。
今回の会談で問われるもの
このように、今回の米ウクライナ首脳会談は、単なる顔合わせではありません。ここ数週間の舌戦を経て、少なくとも次の3つの点が問われる場になると考えられます。
- ウクライナが和平協議の「席」をどう確保するのか
- レアメタル協定を通じて、経済協力と安全保障をどう結びつけるのか
- 紛争発生から3年を経た今、終結に向けた具体的な道筋を描けるのか
米国とウクライナは紛争開始以降、強固な同盟関係を築いてきました。今回の会談で、両首脳が互いの不信をどこまで和らげられるかは、今後の軍事支援や外交交渉のあり方にも直結します。
日本とアジアにとっての意味
ロシアとウクライナの紛争は、一見すると欧州の問題に見えますが、エネルギー価格や食料安全保障、そしてレアメタルを含む資源の流れを通じて、日本やアジアの経済とも深く結びついています。
今回の米ウクライナ首脳会談で、レアメタル協定の方向性や和平協議の枠組みが動けば、日本企業が依存するサプライチェーンや、今後の安全保障政策にも影響が出る可能性があります。グローバルなニュースを自分ごととして捉えるうえで、両首脳の言葉の裏にある意図と利害関係を、引き続き丁寧に追う必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








