CGTN世論調査:米国の関税圧力に世界のネット世論が警鐘
米国が中国への追加関税を交渉材料に、メキシコへ圧力をかけていると受け止められる動きが国際的な注目を集めています。こうした中、中国の国際メディア・CGTNが実施したオンライン世論調査で、多くの回答者が米国の関税外交を経済的な強要とみなし、世界の貿易秩序への悪影響を懸念していることが明らかになりました。
CGTNオンライン調査:24時間で6603人が参加
CGTNは英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語の各プラットフォームでオンライン調査を行い、24時間で6,603人のネット利用者が参加しました。調査は、米国の関税政策がメキシコや中国、さらには世界の貿易秩序にどのような影響を与えているかについて意見を尋ねています。
きっかけとなっているのは、新しい米政権が、中国に対する関税引き上げをちらつかせる一方で、メキシコが中国に関税を課すならメキシコへの関税を免除する、といった構図が指摘されていることです。回答者の多くは、こうした動きをアメリカ・ファースト政策の延長線上にある関税外交と見ています。
メキシコの対中関税は「米国の圧力」が背景?
世界の回答者は、メキシコの対中関税計画の背景に米国の関税政策があるとみています。
- 70.4%が、メキシコの中国への関税導入計画は、主に米国の関税政策による圧力の結果であり、米国自身への悪影響を他国へ転嫁する狙いがあると回答しました。
- 76.4%が、メキシコが米国の圧力に屈して他国に関税を課すことになれば、国際社会に悪い前例をつくり、世界の貿易秩序をさらに乱すと懸念しています。
- 73%が、米国が関税という大きな棒を振りかざし、他国に経済的な圧力をかけることで、国際貿易に負の連鎖を生み、サプライチェーンの安定と貿易秩序を深刻に損なっていると批判しました。
これらの数字からは、米国とメキシコ、中国の三者関係にとどまらず、関税を通じた圧力が他国にも波及しうる「連鎖的なリスク」として受け止められていることがうかがえます。
メキシコの視点:アメリカ・ファーストへの不満
CGTNは、メキシコの人々に焦点を当てた別の世論調査も実施しており、新しい米政権のアメリカ・ファースト政策に対する強い不満が浮き彫りになっています。
- 66.4%のメキシコ回答者が、米国は周辺国との十分な協議なしにメキシコ湾の名称を一方的に変更し、地理的・文化的伝統や国連の権威を損なったと指摘しました。
- 78.5%が、米国は経済的な手段を用いて、継続的にメキシコの内政に影響を与えてきたと感じると回答しています。
- 80.5%が、米国による関税措置がメキシコの発展を制約していると懸念を表明しました。
- 60%が、米墨関係の将来について悲観的な見方を示しています。
新しい米政権の発足後もアメリカ・ファーストを掲げた経済運営が続くなかで、メキシコ側には、経済的な依存関係を背景とした圧力に対する警戒感と不満が蓄積している様子が読み取れます。
米中関係と世界経済への不安
メキシコの回答者は、自国だけでなく、米中関係や世界経済への影響にも強い関心を寄せています。
- 67%のメキシコ回答者が、現在の米国の対外政策が米中関係に与える影響について深い懸念を示しました。これは調査対象の中で最も高い割合とされています。
- 76%が、新しい米政権によるアメリカ・ファースト路線の継続は、世界経済の発展を阻むと見ています。
- 62%が、こうした政策は最終的に米国自身の国際的なリーダーシップを弱めることにつながると考えています。
関税はもともと各国の国内政策の一部ですが、今回の調査結果は、それが国際関係や世界経済全体の不安要因として受け止められていることを示しています。とくに、貿易秩序やサプライチェーンの安定が揺らぐことへの懸念が、メキシコの回答者の米中関係への関心の高さにつながっていると考えられます。
日本と世界への含意:関税は「内政」では終わらない
今回のCGTN世論調査は、関税政策がもはや一国の内政にとどまらず、国際世論の監視対象となっていることを示しています。日本やアジアの読者にとっても、次のような視点が重要になりそうです。
- 関税は単なる貿易調整ではなく、他国に対する政治的・経済的な圧力の手段として位置づけられつつあること。
- 第三国を巻き込んだ関税の連鎖は、世界規模でサプライチェーンや企業の投資判断に不確実性をもたらしうること。
- オンライン世論調査は、こうした動きに対する国際社会の受け止め方を知る一つの手がかりになっていること。
米国の関税戦略、メキシコの対応、そしてそれに対する世界のネット世論の反応は、今後の国際貿易のルールづくりや経済協力のあり方を考えるうえで、無視できないシグナルといえます。関税という一見テクニカルな政策手段が、国際秩序や各国の対外関係を大きく左右し始めている現状を、どのように受け止めるかが問われています。
Reference(s):
CGTN Poll: U.S. escalates tariff coercion, netizens denounce bullying
cgtn.com








