ウクライナ世論調査:米国との緊張の中でゼレンスキー氏支持率が上昇
国際ニュースを日本語で読みたい方に向けて、ウクライナの最新世論調査を解説します。ワシントンとの緊張が続くなかで、ゼレンスキー大統領の信頼度がむしろ上昇したことが明らかになりました。
ゼレンスキー氏の信頼度、1か月で10ポイント増
ウクライナの大手世論調査機関「キーウ国際社会学研究所(KIIS)」が実施した調査によると、ゼレンスキー大統領を「信頼する」と答えた人は3月時点で67%に達し、前月の57%から10ポイント上昇しました。
一方、「信頼しない」と答えた人の割合は37%から27%へと10ポイント低下しており、評価の改善が数字にはっきり表れています。
- 信頼する:57% → 67%
- 信頼しない:37% → 27%
調査は2月14日から3月4日にかけて行われ、結果は金曜日に公表されました。
背景にあるのはホワイトハウスでの対立と米国との関係悪化
今回の支持率上昇は、ゼレンスキー氏とアメリカのドナルド・トランプ大統領とのホワイトハウスでの対立を受けたタイミングで起きています。2月28日の大統領執務室(オーバルオフィス)での会談後、ウクライナの最大の軍事支援国であるアメリカとの関係は悪化したとされています。
通常、主要な支援国との関係がこじれると、その国の指導者への評価も下がりがちです。それにもかかわらず、ゼレンスキー氏の信頼度は上昇しており、ウクライナ国内で独自の動きが生じていることがうかがえます。
「ウクライナ全体への攻撃」と受け止めた世論
KIISのアントン・フルシェツキー氏は、この調査結果について、ロシアとウクライナの衝突が始まってから3年以上が経過した今、ウクライナの人々がゼレンスキー氏の周りに結集していることを示していると分析します。
フルシェツキー氏は声明の中で、ウクライナの人々は新しいアメリカ政権の発する言葉を「ウクライナ全体とウクライナの人々すべてに対する攻撃」として受け止めていると述べました。つまり、ワシントンからの厳しい言葉は、個人としてのゼレンスキー氏だけではなく、国家全体への批判だと理解されているということです。
危機がリーダーの支持を高める現象
外部からの圧力や批判が強まると、国民が自国の指導者のもとに結束する現象は、政治学でもよく知られたパターンです。対立が先鋭化するほど、「内輪もめよりもまずは外への対応を」という空気が強まりやすくなります。
今回のウクライナの世論調査でも、ワシントンとの緊張が高まるなかで、ゼレンスキー氏への信頼が高まり、不信感が薄れるという構図が見えています。
世論調査の数字から読み取れる3つのポイント
今回の国際ニュースを、日本の読者の視点から考えると、次のような点が見えてきます。
- 外交と安全保障が国内政治を左右する: 他国との関係悪化は、必ずしも政権への逆風になるとは限らず、「守るべき対象」が明確になることで指導者の立場を強める場合もあります。
- 数字の変化は世論の感情の変化: 支持率10ポイントの動きの裏には、「攻撃されているのは自分たち全体だ」という共有された感覚があります。
- 対立の構図がシンプル化される: 対外的な緊張が高まるほど、「自国対外部」という二項対立で政治が語られやすくなり、内政の複雑な論点が後景に退くこともあります。
2025年12月の視点から見るウクライナとワシントン
2025年12月現在、ウクライナとワシントンの関係は、国際社会にとって引き続き重要なテーマです。2〜3月にかけての世論調査が示したのは、緊張が高まる局面であっても、ウクライナ国内ではゼレンスキー氏への信頼がむしろ強まっているという事実でした。
今後、ウクライナ指導部がこの高い信頼をどのように生かし、アメリカとの関係を再構築していくのかは、国際ニュースとして注目され続けるでしょう。日本の読者にとっても、外交と世論の結びつきを考える一つのケースとして、フォローしておきたい動きです。
Reference(s):
Zelenskyy's approval rating rises amid tensions with Washington: poll
cgtn.com








