米ミシガン大学調査 関税混乱で米消費者マインド3カ月連続悪化
米ミシガン大学が2025年3月に公表した調査で、米国の消費者マインドが関税をめぐる混乱の中で3カ月連続で悪化したことが分かりました。景気の先行きを読む上で重要なシグナルです。
3カ月連続の悪化、指数は57.9に低下
ミシガン大学の消費者態度指数によると、2025年3月の米国の消費者マインドは前月からさらに10.5%低下し、指数は57.9となりました。調査では、年齢、学歴、所得、資産、政治的な立場、地域といったあらゆる属性で一貫して悪化が見られたとしています。
この水準は、前年2024年3月と比べて27.1%低い水準で、1年のあいだに消費者心理が大きく冷え込んだことを示します。
現状より「将来」への不安が鮮明に
調査によると、現在の景気や家計の状況に対する評価は大きく変わっていない一方で、将来に対する期待が幅広い分野で悪化しました。具体的には次のような項目で悲観的な見方が強まっています。
- 個人の家計(収入や貯蓄の見通し)
- 労働市場(仕事の見つけやすさや雇用の安定)
- 物価動向(インフレがどの程度続くか)
- 企業の業況や景気全体
- 株式市場の先行き
回答者の多くは、関税政策をはじめとする経済政策の不透明さを指摘しました。調査は「政策やその他の経済要因をめぐる不確実性が非常に高く、頻繁に方針が揺れ動くことで、将来の計画を立てにくくなっている」と分析しています。
インフレ期待の急上昇が示す警戒感
今回のミシガン大学調査では、インフレ(物価上昇)に対する期待も大きく動きました。1年先のインフレ期待は、前月の4.3%から4.9%へと上昇し、2022年11月以来の高い水準となりました。これは3カ月連続で0.5ポイント以上の「異例の大幅な上昇」が続いたことになります。
さらに、より長い期間を念頭に置いた長期インフレ期待も、2月の3.5%から3.9%へと上昇しました。調査は、この上げ幅が1993年以来最大だと指摘しています。長期のインフレ期待が上がると、企業や家計が値上げや賃上げを前提に行動しやすくなり、それ自体がインフレを押し上げる要因になりかねません。
なぜ「消費者マインド」が国際ニュースになるのか
米国の消費者マインドは、世界経済や金融市場を読み解くうえで重要な指標です。米国経済は個人消費の比率が高く、消費者の心理が弱くなると、実際の支出や投資が抑えられ、成長の勢いが落ちる可能性があります。
今回のように、関税をめぐる政策の混乱やインフレ期待の上昇が重なると、企業も家計も「様子見」を強めやすくなります。その結果として、
- 米国の個人消費や住宅投資が鈍る
- 世界の株式市場で値動きの振れが高まる
- 為替市場でドルが不安定になる
といった形で、他国にも波及する可能性があります。
日本の読者が押さえておきたいポイント
日本やアジアの投資家、企業にとって、今回の米国の消費者マインド悪化が示すメッセージは次の3点にまとめられます。
- 関税を含む経済政策の不透明さは、数字以上に人々の心理を冷やす。
- インフレ期待の上昇が続く場合、金融政策の引き締めが長引く可能性がある。
- 米国の個人消費が減速すると、日本企業の輸出や海外事業にも影響しうる。
数字そのものだけでなく、その裏側にある「不確実性への不安」がどれほど強まっているのかを意識しておくことが、これからの国際ニュースやマーケットの動きを読み解く手がかりになりそうです。
Reference(s):
U.S. consumer sentiment slumps for third month amid tariff chaos
cgtn.com








