国連事務総長「ガザは殺りく場」 封鎖長期化で無制限の人道支援を訴え
ガザ地区への支援が1か月以上途絶える中、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が、イスラエルによる封鎖の即時緩和と、人道支援の「妨げのないアクセス」を強く求めました。2025年3月時点で続いていた前例のない封鎖は、ガザの人道危機を一段と深刻化させています。
1か月以上「一滴の支援も届かない」ガザの現状
グテーレス事務総長は記者会見で、ガザへの支援状況を次のように説明しました。
- 1か月以上にわたり、ガザに人道支援物資が一切入っていない
- 食料、燃料、医薬品、商業用の物資がすべて止まっている
- 国境の検問所付近には支援物資が山積みになっているが、中には入れない
事務総長は「1か月以上、一滴の支援もガザに入っていない。食料も燃料も医薬品も、商業用の物資もない」と語り、支援が途絶える一方で「恐怖の奔流が再び開かれた」と表現しました。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、イスラエルの命令により、3月2日からガザへの全ての支援物資と商業貨物の搬入が停止されており、これは2023年10月以降で最も長い封鎖だとしています。
グテーレス事務総長「ガザは殺りく場、市民は終わりなき死の輪に」
事務総長はガザの状況を「ガザは殺りく場であり、市民は終わりなき死の輪に閉じ込められている」と、極めて強い言葉で表現しました。
また、「ガザのすべての人に行き渡るだけの食料がある」という見方に対しても、国連の複数の人道機関トップによる共同声明を引用しつつ、「現地の現実とはかけ離れており、物資は極端に不足している」と反論しました。
占領下での国際法上の義務「しかし何も果たされていない」
グテーレス事務総長は、イスラエルは占領勢力として国際法の下で明確な義務を負っていると指摘しました。その内容としては、
- 住民に対する食料と医療品の確保
- 公衆衛生サービスの維持
などが挙げられますが、「そのいずれも実現していない」と批判しました。
さらに、事務総長は次の点を強く求めました。
- ガザへの妨げのない人道アクセスの確保
- 人道支援関係者の安全確保と保護
- 国連職員を含む人道支援要員が殺害された事案についての独立した調査
停戦と人質解放へ「今の進路は行き止まり」
ガザをめぐる危機の出口として、グテーレス事務総長は一貫して次の二つを訴えています。
- すべての人質の即時かつ無条件の解放
- 恒久的な停戦の実現
現在の状況については、「今の進路は行き止まりであり、国際法と歴史の目から見て到底許容できない」と強調しました。そのうえで、「非人間的な扱いを終わらせ、市民を守り、人質を解放し、命を救う支援を確保し、停戦を再び実現する時だ」と呼びかけました。
日本の読者にとっての意味:考えたい3つの視点
ガザの人道危機は、遠い地域の出来事のように見えますが、国際ニュースとして私たちの考え方にも直接関わるテーマです。考えてみたいポイントを3つに整理します。
- 人道支援と安全保障の両立:軍事作戦が続く中で、人道支援をどこまで優先すべきか。
- 国際法の実効性:占領下の住民保護というルールを、国際社会はどのように守らせるのか。
- 情報との向き合い方:「食料は足りている」「足りていない」といった主張が交錯する中で、どのように情報を読み解くか。
ガザをめぐる議論は、遠いニュースであると同時に、「人道」「法の支配」「安全保障」といった普遍的なテーマを私たち一人ひとりに問いかけています。短いコメントでも、家族や友人との会話でも、このニュースをきっかけに自分なりの視点を更新してみることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
UN chief urges unimpeded aid access to Gaza as crisis worsens
cgtn.com








