習近平氏、中国とベトナムに覇権主義・保護主義への共同対抗を呼びかけ
2025年12月8日(月)、中国の習近平国家主席はベトナムのファム・ミン・チン首相との会談で、中国とベトナムが覇権主義や一方主義(ユニラテラリズム)、保護主義に共同で対抗すべきだと呼びかけました。アジアの国際関係や経済の行方を考えるうえで、注目すべきメッセージです。
会談で強調された「三つの敵」
今回の会談で、習近平国家主席が名指ししたのは次の三つでした。
- 覇権主義
- 一方主義(ユニラテラリズム)
- 保護主義
習主席は、中国とベトナムがこれらに「共同で反対する」必要があると強調しました。覇権主義とは、力を背景に他国への影響力を一方的に広げようとする姿勢を指す言葉として使われることが多く、一方主義や保護主義も、国際協調より自国の立場を優先する動きを批判的に表す用語です。
こうした言葉を並べることで、両国が国際社会の中で協調と開放を重視する立場を示したい意図がうかがえます。
国家復興と近代化という「歴史的使命」
習主席はまた、中国とベトナムの双方が「民族の復興」と「国家発展の加速」という歴史的使命を担っていると述べました。ここでは、両国が自国の近代化を進めながら、経済や社会の発展をさらに加速させていくという方向性が共有されているといえます。
そのうえで、両国が「より強い運命共同体の意識」を育て、「包括的な戦略的協力」を深めるべきだと呼びかけました。これは、単なる経済協力にとどまらず、安全保障や外交、社会分野も含めた幅広い協力関係を視野に入れた表現と考えられます。
ベトナムのドイモイ改革を高く評価
会談の中で習主席は、ベトナムのこれまでの歩みにも言及しました。ベトナムでは、ベトナム共産党とベトナム政府の指導のもとで政治的・社会的安定が維持され、ドイモイ(刷新・改革)の取り組みで目覚ましい成果を上げてきたと評価しました。
さらに、ベトナムの国際的な地位が高まっていることについて、中国としても喜ばしく感じていると述べています。これは、ベトナムの発展を認めたうえで、両国がパートナーとして協力関係を強めていく姿勢を示したものといえます。
「運命共同体」と包括的戦略協力の狙い
習主席は、中国とベトナムが運命共同体としての意識を強め、包括的な戦略協力を一段と深めることで、両国それぞれの近代化プロセスに役立てるべきだと述べました。
具体的には、次のような方向性が示唆されています。
- 両国の経済発展や近代化を支える協力の強化
- 政治・社会の安定を重視した関係づくり
- 両国の人びとの生活向上に資する交流の拡大
「両国の人びとに、より良い利益をもたらす」という表現からは、国家間の関係だけでなく、国民生活への具体的なメリットを意識したメッセージであることが分かります。
今回のメッセージから何を読み取るか
世界経済や国際秩序が揺れ動く中で、中国とベトナムが「覇権主義・一方主義・保護主義」に反対する姿勢をあらためて強調したことは、アジアの国際関係を見るうえで重要なサインです。
今回の発言から読み取れるポイントを整理すると、次のようになります。
- 中国とベトナムは、国際協調と開放的な経済の重要性を強調している
- 両国は、それぞれの近代化と国家発展を「歴史的使命」と位置づけている
- ベトナムの改革と成長を評価し、パートナーとしての連携を深めようとしている
- 運命共同体や包括的戦略協力という言葉を通じて、中長期的な関係強化の意思を示している
今後、中国とベトナムがどの分野で協力を具体化させ、どのように国際社会へのメッセージを発していくのかは、アジアの将来を考えるうえで注視すべきテーマです。読者のみなさんも、両国関係の動きが、自国の経済や仕事、生活とどのようにつながっていくのかを意識しながらニュースを追ってみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
Xi calls on China, Vietnam to oppose hegemonism, protectionism
cgtn.com








