中国本土、台湾半導体の「空洞化」に懸念 DPP当局を批判
中国本土の台湾事務を所管する国務院台湾事務弁公室が、米国による台湾の半導体産業「空洞化」への懸念を示し、民進党(DPP)当局の対応を強く批判しました。台湾積体電路製造(TSMC)や聯華電子(UMC)などの企業再編の観測とあわせて、台湾半導体をめぐる国際ニュースが改めて注目を集めています。
中国本土報道官「台湾産業の懸念は根拠ある」
国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は、記者から米国が台湾の半導体産業を「空洞化」させているのではないかという懸念について問われ、「台湾産業界の懸念は根拠のないものではない」と述べました。
さらに朱報道官は、もし民進党(DPP)当局が「台湾を売り渡し、破滅へと向かわせる危険な道」を歩み続ければ、「台湾の産業界と一般の人々は、現在の仕事だけでなく、将来の発展の機会も失うことになる」と警鐘を鳴らしました。
TSMCは「政治的象徴」に? DPP当局への批判
朱報道官はまた、台湾を代表する半導体受託製造大手、台湾積体電路製造(TSMC)が、民進党当局が米国に依存して「台湾独立」を追求しようとする際の、政治的な「証文」のような存在になっていると主張しました。
そのうえで、頼清徳氏の下では台湾の半導体産業がいずれ米国側に引き渡されるのは時間の問題だとし、個人名も挙げて厳しい言葉で批判しました。発言のトーンからは、半導体産業をめぐる政策を強く問題視している姿勢がうかがえます。
TSMCとインテル、UMCとGF──ロイターが伝える再編の動き
こうした発言の背景には、台湾と米国の半導体企業をめぐる動きがあります。ロイター通信によると、TSMCと米半導体大手インテルは、インテルの工場を共同運営する新会社の設立に向け、予備的な合意について協議しているとされています。TSMCが新会社の20%を出資する案が検討されているということです。
また、台湾の主要な半導体受託メーカーである聯華電子(United Microelectronics)と、米国拠点のGlobalFoundries(GF)が、合併の可能性を探っているとも報じられています。実現すれば、台湾と米国の半導体産業の関係がさらに深まる展開となりそうです。
半導体産業と安全保障が重なる時代
半導体は、スマートフォンや自動車、データセンター、人工知能(AI)まで、現代のほとんどすべてのデジタル機器に欠かせない基幹部品です。その製造拠点の行方は、各国・各地域の経済だけでなく、安全保障や技術覇権とも結びついています。
今回、中国本土の当局者が台湾半導体の「空洞化」に言及したことで、台湾の産業政策、米国との協力関係、そして中国本土との関係をめぐる議論が、今後さらに熱を帯びる可能性があります。
これから注視したいポイント
現時点で、朱報道官の発言に対する台湾当局や企業側の具体的な反応は、今回の情報の中では明らかになっていません。ただ、台湾半導体をめぐる政治とビジネスのせめぎ合いは、アジア全体のサプライチェーンにも影響しうるテーマです。
- TSMCとインテルの新会社構想がどのような形で具体化するのか
- 聯華電子とGlobalFoundriesの合併協議が進展するのか
- 台湾当局が半導体産業の海外展開と国内雇用をどう両立させるのか
- 中国本土が今後、どのようなメッセージや政策で対応していくのか
日本を含むアジアの企業や投資家にとっても、台湾半導体産業の行方は、中長期のビジネス戦略に直結する重要な国際ニュースです。政治的なレトリックだけでなく、企業の具体的な投資や提携の動きを丁寧に追うことで、変化の方向性が見えてきそうです。
Reference(s):
Mainland says the DPP are selling out Taiwan's semiconductor industry
cgtn.com








