中国とカンボジア、WTO中心の多国間貿易体制を再確認
中国とカンボジア、WTO中心の多国間貿易体制を再確認
中国とカンボジアは金曜日に発表した共同声明で、貿易保護主義に強く反対し、世界貿易機関(WTO)を中心とする多国間貿易体制を改めて支持する姿勢を示しました。国際ニュースとしては、経済と安全保障の両面でアジアの行方を考えるうえで重要な動きです。
貿易保護主義に反対、ルールに基づく開かれた体制を強調
共同声明は、中国の習近平国家主席のカンボジア国賓訪問の締めくくりに発表されました。両国は、新時代のもとでの「全天候型」の中国・カンボジア運命共同体の構築と、中国が提唱する三つのグローバルなイニシアチブの実行を掲げています。
声明では、とくにWTOを中心とする多国間貿易体制へのコミットメントを強調し、次のような特徴を持つ貿易システムの維持を目指すとしました。
- 予見可能であること
- ルールに基づくこと
- 透明性があること
- 無差別であること
- 開かれていること
- 包摂的であること
両国は、貿易や投資への制限が経済安全保障や国際貿易秩序に脅威をもたらすとの認識で一致し、保護主義的な動きに対する懸念をにじませました。
WTO改革と第14回閣僚会議へ向けたメッセージ
声明は、WTOが貿易ルールの策定や審査、対話と協力の場として重要な役割を果たしていると位置づけ、そのもとでの貿易・投資の自由化と円滑化の意義を再確認しました。
中国とカンボジアは、すべてのWTO加盟国の正当な権利と利益を守るとともに、機構の改革に向けて協力していくと表明しました。また、WTO第14回閣僚会議で実質的な成果を上げることを目指し、経済のグローバル化を、より開放的で、包摂的で、万人に恩恵が行きわたり、バランスが取れたウィンウィンの方向へと進めていく姿勢を示しました。
「全天候型」関係と地域への広がり
今回の共同声明は、二国間関係の強化にとどまらず、中国とカンボジアが「あらゆる天候のもとでも揺るがない」関係を掲げ、その延長線上で国際秩序や地域構想にも関与していくというメッセージでもあります。
三つのグローバルなイニシアチブをめぐっても、両国は協力して実行に移すことを確認しており、多国間主義を軸にした新たな協力の枠組みづくりを意識した内容といえます。
アジア太平洋の安全保障:排他的な小さな輪に反対
声明は、アジア太平洋地域の平和と安定を維持することの重要性も強調しました。中国とカンボジアは、特定の国だけで固まる排他的な小さな輪や、陣営に分かれた対立の構図に反対すると表明しています。
さらに、核兵器の拡散やミサイル配備に反対する立場を明確にし、こうした動きが軍拡競争を招き、地域の平和と安定を損ないかねないと警鐘を鳴らしました。
アジア太平洋「共同体」へのビジョン
両国は、アジア太平洋地域に「共有された未来」を掲げる共同体を築くことを呼びかけ、その実現に向けて貢献していくとしています。経済協力と安全保障の対話を結びつけることで、地域全体の安定と繁栄につなげたいという狙いがうかがえます。
私たちが注目したいポイント
今回の共同声明は、一つひとつの文言は穏当ですが、多国間貿易体制の行方やアジア太平洋の安全保障環境をめぐる大きな流れの中で読むと、いくつかの論点が浮かび上がってきます。
- 多国間貿易ルールの維持と改革に、アジアの国々がどう関与していくのか
- 排他的な枠組みや陣営化への懸念が、今後の地域協力の形をどう変えていくのか
- 経済と安全保障を一体でとらえるメッセージを、周辺の国や地域はどのように受け止めるのか
中国とカンボジアの今回の発信は、貿易ルールと安全保障が切り離せなくなりつつある現在の国際環境を映し出す一つの事例といえます。ニュースを追う私たちにとっても、経済協力と地域秩序の関係を考える手がかりになりそうです。
Reference(s):
China, Cambodia reaffirm commitment to multilateral trading system
cgtn.com








