イラン副外相「米国との協議に本気」 制裁解除へローマで間接交渉
イラン副外相「米国との協議に本気」 制裁解除へローマで間接交渉
イランが米国との間接協議で制裁解除と核問題をめぐる交渉を加速させようとしています。2025年4月にイタリア・ローマで行われた会談の内容と、その意味を整理しました。
「協議に本気、先延ばしは望まない」イラン副外相
イランのカゼム・ガリバアディ副外相は日曜日(現地時間7日)、米国との間接協議について「イランは真剣であり、外交プロセスの遅れは望んでいない」との姿勢を示しました。発言は、テヘランで開かれた国会の国家安全保障・外交政策委員会との会合で述べられたもので、同委員会の報道担当エブラヒム・レザエイ氏の説明として、イランの公式通信社IRNAが伝えています。
ローマとマスカットでの間接協議 何が話し合われたのか
ガリバアディ氏によると、イランと米国は2025年4月19日にイタリアの首都ローマで行われた第2ラウンドの間接協議で、「全体的な枠組み、今後の議題、技術レベルの協議」に合意しました。
このローマ会合に先立ち、4月12日にはオマーンの首都マスカットでも第1ラウンドのイラン・米国対話が実施されています。いずれの協議も、イランの核計画と米国による対イラン制裁の解除をめぐる問題が中心となりました。
両国はこれらの協議を「建設的」だと評価しており、長く対立が続いてきた核問題を対話によって解きほぐそうとする動きが続いています。
制裁解除は「イラン国民に利益を」 ウラン濃縮は譲れない一線
レザエイ氏によれば、ガリバアディ氏は会合の場で「すべての制裁は、イラン国民の経済的利益につながる形で解除されなければならない」と強調しました。長年続く経済制裁の影響を踏まえ、実質的な経済効果を伴う制裁解除を求めている形です。
その一方で、イランは自国のウラン濃縮の権利については交渉の対象としない構えを明確にしています。ガリバアディ氏は、ウラン濃縮の権利は「越えてはならないレッドライン(譲れない一線)」にあたるとし、協議によってもこの原則を変えることはないとの立場を示しました。
トランプ米大統領の「爆撃」警告と対話のオファー
今回のローマとマスカットでの間接協議は、ドナルド・トランプ米大統領が2025年3月上旬にイラン指導部宛てに送った書簡の中で提示した「対話の提案」と結びついています。
トランプ大統領はこの書簡で、自身の提案する対話の条件をイラン側が受け入れない場合、「イランを爆撃する」と警告していたとされています。その後も双方は対話の窓口を閉ざさず、今回のような間接協議を「建設的」と評価している点が注目されます。
2015年の核合意と2018年の米国離脱
現在の交渉の背景には、2015年7月に結ばれた核合意(包括的共同行動計画=JCPOA)の存在があります。イランは当時、英国、中国、フランス、ドイツ、ロシア、米国の6カ国と合意に達し、自国の核計画に制限を受け入れる代わりに、経済制裁の解除を認められました。
しかし、その約3年後の2018年5月、米国はこの核合意から離脱し、対イラン制裁を復活させました。これに対抗する形で、イランも一部の核関連義務の履行を段階的に縮小してきました。
核合意を復活させようとする試みはこれまで何度も行われてきましたが、2025年12月現在、実質的な進展には至っていません。今回のローマやマスカットでの協議は、この膠着状態を打開できるのかが問われています。
日本の読者にとっての意味 「制裁」と「核」をどう見るか
イランと米国の核問題をめぐる駆け引きは、中東情勢やエネルギー市場に影響を与え得るテーマであり、日本を含むアジアの国々にとっても無関係ではありません。
- イラン側は「実際に国民の生活を改善する制裁解除」を重視
- 同時に、ウラン濃縮の権利は「譲れない一線」として主張
- 米国側は、圧力と対話の両方を使いながら核問題への対応を模索
今後、どこまで制裁解除の範囲を広げることができるのか、またイランがどの程度まで核活動を制限する用意があるのかが、交渉の焦点になります。
今回のニュースは、「安全保障」と「経済制裁」、「主権」と「国際的な信頼」のバランスをどう取るべきかという、現代の国際政治に共通する問いを映し出しています。今後のイラン・米国間の協議の行方は、引き続き注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








