国際ニュース:習近平氏「関税と貿易戦争は各国の利益を損なう」
中国の習近平国家主席は、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領との会談で、関税と貿易戦争はすべての国の正当な権利と利益を損ない、多国間貿易体制と世界経済秩序を揺るがすと警告しました。世界経済の不透明感が高まる2025年、なぜこの発言が重要なのかを整理します。
習近平氏「関税と貿易戦争は全ての国の利益を損なう」
習近平氏は会談の場で、関税の引き上げや貿易戦争のような対立は、一見すると特定の国や産業を守るように見えても、実際には「すべての国の正当な権利と利益」を損ない、国際貿易のルールと秩序を傷つけると強調しました。
発言のポイントは次の3点にまとめられます。
- 関税と貿易戦争は、どの国にとっても長期的な利益を損なう
- 多国間貿易体制(多くの国が共通ルールで貿易する仕組み)を傷つける
- 世界全体の経済秩序に悪影響を与える
ここで言う多国間貿易体制とは、多くの国や地域が同じルールに従って貿易を行う枠組みのことです。この枠組みが揺らぐと、中小規模の国や企業ほど不利になりやすく、世界経済の不確実性が高まります。
アゼルバイジャンとの会談で強調された「協力」と「公正」
こうした問題意識は、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領との会談でも共有されました。習近平氏は、中国はアゼルバイジャンと共に、国連を中心とする国際システムと、国際法に基づく国際秩序を守っていく意思があると述べました。
発言からは、次のような協力の方向性が見えてきます。
- 国連を中心とする国際システムの擁護
- 国際法に基づく国際秩序の維持
- それぞれの正当な権利と利益をしっかり守ること
- 国際社会における「公正」と「正義」を守る姿勢
大国・中堅国を問わず、自国の権利や安全を守りつつ、国際社会全体の安定にも貢献したいという思いは共通しています。今回の会談は、そのバランスをどのように取るかを探る場でもあったと言えます。
なぜ「多国間貿易体制」が重視されるのか
習近平氏のメッセージの背景には、「貿易をめぐる対立が激しくなるほど、世界経済全体が不安定になる」という認識があります。関税や貿易戦争、多国間貿易体制という言葉を、あらためて整理しておきます。
- 関税:輸入品にかける税金。国内産業を守る目的で使われることが多い
- 貿易戦争:互いに関税を引き上げ合うなど、報復的な措置が連鎖する状態
- 多国間貿易体制:多くの国や地域が共通ルールに基づいて貿易を行う仕組み
関税引き上げは、短期的には国内産業を守れるように見えますが、長期的には相手国の報復やコスト増につながり、企業の投資意欲を冷やしたり、消費者価格を押し上げたりする可能性があります。こうした連鎖を避けるには、多国間のルールに基づいて落ち着いて協議することが重要になります。
2025年の世界経済と日本への含意
2025年現在、世界経済はサプライチェーンの再編や地政学的リスク、エネルギー価格の変動など、複数の不確実性に直面しています。そのなかで、主要国の指導者が貿易戦争ではなく国際協調の重要性を訴えることには、象徴的な意味があります。
日本を含む多くの国と地域は、輸出入に大きく依存する開かれた経済です。関税や貿易摩擦が激しくなれば、企業が原材料や部品の調達先を見直さざるを得なくなり、私たちの生活に直結する製品やサービスの価格にも影響が出るかもしれません。
国連を中心とする国際システムや国際法をベースとした秩序を重視する発言は、大国だけでなく、中小規模の国や新興国も含めた「ルールに基づく安定した環境」を求める声と重なります。多国間の枠組みをどう維持・強化していくのかが、これからの重要なテーマです。
これから私たちが注目したいポイント
今回のメッセージを踏まえ、ニュースを追う際に押さえておきたい視点をいくつか挙げておきます。
- 各国が関税引き上げや貿易措置をどう運用し、どのような対話の場を設けているか
- 国連などの国際機関で、多国間貿易ルールや国際法に関する議論がどう進むか
- 中国とアゼルバイジャンを含む国や地域が、「公正」と「正義」をキーワードにどのような協力の枠組みを築いていくか
ニュースを「賛成・反対」で消費するだけでなく、関税や貿易ルールの変化が自分の仕事や生活とどのようにつながっているのかを意識してみると、国際ニュースがぐっと身近に感じられるはずです。
Reference(s):
Xi: Tariffs and trade wars undermine interests of all countries
cgtn.com








