ドイツ情報機関、極右政党AfDを極右組織と正式認定
ドイツの国内情報機関が、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を国家レベルで「確定した極右組織」と認定しました。支持率が高まる中での決定は、ドイツ政治と欧州の民主主義にどんな意味を持つのでしょうか。
AfDが「確定した極右組織」に
ドイツの国内情報機関である連邦憲法擁護庁(BfV)は金曜日、極右政党AfDを国家レベルで「確定した右派過激主義組織」と公式に分類したと発表しました。
AfDはこれまで連邦レベルでは「疑い事例」とされていましたが、いくつかの州組織はすでに右派過激組織として扱われていました。今回の決定で、全国レベルでの評価が一段階引き上げられた形です。
BfVによると、この結論はおよそ3年にわたる専門家による精査の結果です。ドイツ公共放送ARDによれば、その評価は1000ページを超える報告書にまとめられており、AfDが掲げる「民族を基礎とした国民概念」は、ドイツの「自由で民主的な基本秩序」と両立しないと判断されたとされています。
AfD側は「民主主義への打撃」と強く反発
こうした情報機関の判断に対し、AfDの共同党首であるAlice Weidel氏とTino Chrupalla氏は、直ちに強い言葉で反発しました。
両氏は声明で、この決定を「民主主義に対する重大な打撃」だと非難し、「民主主義を危険にさらす中傷だ」と表現しています。AfDは今後も法的手段を通じて、この分類に異議を唱え続ける方針を示しています。
それでも高い支持率、世論調査で首位に
注目すべきは、この「極右組織」認定が行われた一方で、AfDが世論調査では依然として強い支持を得ている点です。
先月の全国規模の世論調査では、AfDが保守系のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)を初めて上回り、最も支持の高い政党となったと報じられています。従来の中道政党を押しのけてAfDが首位に立ったという事実は、ドイツ社会の空気の変化を象徴するものだと見ることもできます。
ドイツ政治と欧州にとっての意味
国内情報機関が主要政党を「確定した極右組織」と認定することは、民主主義国家にとって極めて重い判断です。一方で、その政党が世論調査で首位に立つほどの支持を集めているという状況は、政治的不信や社会の分断の深さを映し出しているとも言えます。
移民・難民問題、経済格差、安全保障への不安など、ヨーロッパ各地で極右勢力の支持を押し上げている要因は、ドイツでも例外ではありません。今回のAfDをめぐる動きは、そうした構造的な課題がどこまで深刻化しているのかを示す一つのシグナルでもあります。
私たちが考えたい3つのポイント
このニュースを追ううえで、次のような問いを持っておくと、ドイツ政治だけでなく自国の政治や社会を見るヒントにもなります。
- 情報機関が政党を「極右組織」と認定するラインはどこにあるのか。
- 政党の主張が「自由で民主的な基本秩序」と両立するかどうかは、誰がどのように判断すべきか。
- 既存政党への不信や社会の分断が深まるとき、私たちはどのように政治参加や議論の質を守れるのか。
ドイツでいま起きていることは、遠い国の出来事ではなく、民主主義のあり方をめぐる普遍的な論点として、私たち自身にも問いを投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








