トランプ大統領の支持率が42%に低下 関税とインフレに揺れる米国世論
トランプ大統領の支持率が42%に低下 なぜ今、米国世論は揺れているのか
米トランプ大統領の支持率が42%まで低下し、新任期入り後の最低水準に並んだことが、ロイターと調査会社イプソスによる米国世論調査で分かりました。国際ニュースとしても注目されるこの動きの背景には、関税を軸とした経済政策やインフレへの不安があるとみられます。
支持率42% 経済運営への評価は依然として厳しく
5月16〜18日にオンラインで実施された全国世論調査によると、トランプ大統領の政権運営を「支持する」と答えた人は全体の42%でした。前週に行われた同様の調査では44%だったため、2ポイントの低下となりました。
米経済全体の運営に関しては、39%が「うまくやっている」と評価しましたが、この数字は前週から変わりませんでした。景気に関するニュースが続く中でも、多くの米国民が政権の経済運営をなお厳しく見ている状況がうかがえます。
生活費対策の評価はわずか33%
インフレ率は、バイデン政権下で大きく上昇した後、ここ数年は低下傾向にあるとされています。それでもなお、足元の物価高や生活費の重さを厳しく感じている人は少なくありません。
今回のロイターとイプソスの世論調査では、トランプ大統領の「生活費の管理」に対して33%が「よくやっている」と回答しました。これは前週の31%からわずかに改善したものの、評価する人が依然として少数派にとどまっていることを示しています。
選挙で掲げた「黄金時代」と関税政策
トランプ大統領は2024年の大統領選挙で、米国経済に「黄金時代」をもたらすと約束して勝利しました。その後、世界の貿易構造を作り替えることを目指し、主な貿易相手国や地域に対して高い関税を課すなど、積極的な通商政策を打ち出しています。
しかし、エコノミストたちは、こうした関税強化策が輸入企業の利益を圧迫し、最終的には物価上昇や景気後退のリスクを高めると警戒しています。今回の支持率低下は、こうした不安が有権者の意識にも浸透しつつあることを反映している可能性があります。
世界最大の小売企業ウォルマートに「関税を飲み込め」と要求
物価と関税をめぐっては、トランプ大統領の発言も注目を集めました。大統領は土曜日、世界最大の小売企業とされるウォルマートに対し、同社が抱えるコスト増について関税を理由にするのではなく、自社で関税を吸収するよう求めました。
関税は、輸入品にかかる税金です。企業がどの程度コストを自社で負担し、どの程度を販売価格に転嫁するかによって、最終的に消費者が支払う金額が変わります。ウォルマートのような巨大企業がどこまで自社負担を引き受けるかは、米国の物価と家計に直接影響を与える可能性があります。
利下げを求める政権とインフレを警戒するFRB
トランプ大統領は、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)に対しても、利下げを行うよう繰り返し求めています。金利を下げれば、企業や家計の借入コストが下がり、短期的には景気を下支えしやすくなるとされるためです。
一方で、中央銀行の担当者たちは、関税によるコスト増などが重なれば、インフレ率が再び加速しかねないと警戒しています。物価が上昇する局面で大幅な利下げを行えば、かえってインフレを勢いづける可能性もあるためです。
政治リーダーが中央銀行に圧力をかける状況は、世界の市場参加者にとっても注目点です。中央銀行の独立性がどこまで守られるのかは、通貨や国債への信認にも影響し得るからです。
世論調査の数字が示すもの
今回のロイターとイプソスによる調査は、5月16〜18日にかけてオンラインで実施され、全米の成人1024人を対象としました。サンプル数としては標準的な規模であり、米国内の世論動向を把握する一つの目安といえます。
支持率42%という数字だけを見ると、約4割の有権者が依然として大統領を支持しているとも言えますが、景気運営や生活費対策への評価が伸び悩んでいることは重く受け止める必要があります。特に、物価や生活費といった「台所事情」は、有権者の投票行動に直結しやすいテーマだからです。
日本と世界への波紋 私たちは何を見ておくべきか
米国経済とトランプ政権の通商政策は、日本を含む世界経済にも大きく影響します。米国が高関税を維持または拡大すれば、世界のサプライチェーンの再編が進み、日本企業の輸出や海外投資にも波及する可能性があります。
インフレと金利、そして政権支持率は、それぞれ別々のテーマに見えますが、実際には密接につながっています。生活費の実感が悪化すれば政権への不満が高まり、政権は景気対策や金融政策への関与を強めようとするかもしれません。その動きがさらに市場を動揺させ、結果として私たちの日常生活にも影響してくる、という連鎖も考えられます。
今回の調査結果は、米国政治をめぐる最新の一場面にすぎませんが、関税やインフレ、中央銀行の独立性といったテーマを改めて考えるきっかけにもなります。ニュースを追う際には、単なる支持率の上げ下げだけでなく、その背後にある経済政策と国際的な影響にも目を向けておくことが重要になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








