イランが米国の新制裁を強く非難 核協議第5ラウンド前に緊張高まる
イランが、核協議の第5ラウンドを前に米国の新たな制裁を強く批判しました。建設関連分野に関わる素材を標的とした制裁をめぐり、イランと米国の駆け引きが改めて注目されています。
何が起きたのか:米国の新制裁とイランの反発
イラン外務省のエスマイル・バガイーエ報道官は、金曜日にソーシャルメディアXへの投稿を通じて、米国が新たに発表した制裁を強く非難しました。制裁は、イランに特定の建設関連素材を提供する個人や団体を対象としています。
米国務省は水曜日の声明で、イランの建設セクターが同国のイスラム革命防衛隊に「直接的または間接的に」支配されていると主張しました。そのうえで、イランが核、軍事、弾道ミサイル計画に関連して使用しているとされる戦略物資を、新たに10種類特定したと発表しました。
制裁の対象となった戦略物資
米国務省によると、今回「戦略物資」として名指しされたのは次のような素材です。
- オーステナイト系ニッケル・クロム合金
- マグネシウム地金(インゴット)
- 過塩素酸ナトリウム
- タングステン・銅合金
- 特定のアルミニウム製シートやチューブ
- など、合計10種類の素材
声明は、これらの素材がイランの核計画、軍事用途、弾道ミサイル計画と結びついていると指摘しています。
イラン外務省報道官の強い言葉
バガイーエ報道官は、米国の動きを「乱暴で、違法かつ非人道的だ」と表現し、強い言葉で批判しました。
さらに同氏は、米国による多層的な制裁と強制的措置は「すべてのイラン国民から基本的人権を奪うよう綿密に設計されている」と主張し、これらの制裁は「人道に対する罪と変わらない」と非難しました。
今回の制裁が、イランと米国の間で予定されている間接的な核協議の第5ラウンドを前に発表されたことについても、「米国が本当に外交を進める意思と真剣さを持っているのか、疑念がさらに深まる」と指摘しています。
一方でバガイーエ氏は、イランの人々は「このばかげた敵意に直面しても、揺らぐことなく強くあり続ける決意だ」と述べ、制裁に屈しない姿勢を強調しました。
核協議第5ラウンドへの影響
イランと米国は、テヘランの核計画と米国による制裁解除をめぐって、4月以降に4回の間接協議を重ねてきました。第5ラウンドの協議はローマで行われる予定で、新制裁はその直前に発表された形です。
バガイーエ報道官は、イラン外務省のX公式アカウントを通じて、ローマでの協議に向けたイラン交渉団の到着を明らかにしました。制裁による緊張が高まるなかでも、協議の枠組み自体は維持されていることが分かります。
もっとも、制裁と協議が同時進行する構図は、交渉の雰囲気や信頼醸成に影響を与えかねません。今回の措置が協議の進展を後押しするのか、それとも新たな障害となるのかが焦点になります。
「間接協議」が意味するもの
ここで言う「間接協議」とは、当事国同士が同じテーブルで直接向き合うのではなく、第三者を介してメッセージや提案を伝え合う形式の交渉を指します。双方の政治的なハードルが高い場合に選ばれる方法の一つであり、合意の道筋はどうしても複雑になりがちです。
この国際ニュースから考えたいポイント
今回のイランと米国の対立は、制裁と外交がどのように組み合わされているのかを考えるうえで、示唆に富んだ事例と言えます。いくつかの視点から整理してみます。
- 制裁と対話を同時に進める戦略は、相手にどのようなメッセージを送ることになるのか。
- 安全保障や核開発に関する懸念と、一般市民の生活や人権への影響をどのように両立させるべきか。
- 外交トップの発言がXなどのSNS上でリアルタイムに発信される時代に、世論や国際社会はそれをどう受け止め、共有していくのか。
制裁の是非についての評価は立場によって異なりますが、制裁が外交のテーブルとどのように結びつき、人々の生活にどんな影響を与えるのかを丁寧に見ていくことが求められています。
Reference(s):
Iran condemns fresh U.S. sanctions ahead of 5th round of nuclear talks
cgtn.com








