中国と太平洋島しょ国、包括的協力を強化 第3回外相会合の狙い
中国と太平洋島しょ国が「全方位の協力」へ
中国と太平洋島しょ国(Pacific Island Countries:PICs)の関係が、今年あらためて動きを見せています。中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相が、中国南東部の厦門(アモイ)市で5月28日と29日に予定された第3回中国-太平洋島しょ国外相会合で議長を務めると発表され、中国と太平洋島しょ国が「全方位的な協力」の強化を掲げたためです。
厦門で第3回外相会合 中国での対面開催は初と説明
この外相会合は、福建省厦門市で5月28日と29日の2日間にわたって開催されることになっていました。中国外交部の毛寧(もう・ねい)報道官によると、中国で対面形式として同会合が行われるのは初めてだと説明されていました。
毛報道官は、会合では次のような議論が行われると述べていました。
- 中国と太平洋島しょ国との交流と協力を、あらゆる分野でどのように深めるか
- 双方が共通の関心を持つ国際・地域課題について、意見を交わすこと
経済協力やインフラ、人材交流、環境などを含む幅広いテーマが視野に入った「全方位」の対話の場として位置づけられていることがわかります。
外交関係を結ぶ太平洋島しょ国は11か国に
中国外交部によれば、当時、中国は11の太平洋島しょ国と外交関係を結んでいました。2024年1月にはナウルが中国との外交関係を再開し、中国と国交を樹立した183番目の国となりました。
太平洋に点在する島しょ国は人口規模こそ小さいものの、海洋や気候変動、海上交通などをめぐる議論で重要な存在とされています。そうした国々との外交関係が11か国まで広がっているという事実は、中国にとっても、太平洋島しょ国側にとっても、選択肢と発言力を広げる動きといえます。
貿易額は63億ドル 関係の「厚み」に反映
経済面でも、中国と太平洋島しょ国のつながりは数字に表れています。中国税関総署によると、2024年における中国とこれら11か国との貿易総額(輸出入の合計)は63億ドルに達しました。
具体的な品目はさまざまですが、この規模の貿易が生まれていること自体が、両者の関係に一定の「厚み」が出てきていることを示していると受け止めることができます。
このニュースから何を読み取るか
今回の外相会合の動きと貿易の数字からは、少なくとも次の3点が見えてきます。
- 外交ネットワークの拡大:ナウルのように中国との関係を再構築する動きが出てきており、太平洋島しょ国との結びつきが一層密になっていること。
- 経済と外交の一体化:63億ドル規模の貿易関係が、外交関係の深化とセットで進んでいること。
- 地域課題への共同対応:中国と太平洋島しょ国が、共通の関心を持つ国際・地域課題について、協力して取り組む枠組みづくりを進めていること。
地理的には遠く感じられる太平洋島しょ国ですが、海洋や気候、国際経済の観点から、日本にとっても無関係ではありません。中国と太平洋島しょ国との協力が今後どのような形で具体化していくのか。引き続き、会合やプロジェクトの動きに注目していきたいところです。
Reference(s):
Graphics: China, Pacific Island nations to boost all-round cooperation
cgtn.com







