マレーシアで第46回ASEAN首脳会議開幕 統合とレジリエンスが焦点
2025年に議長国を務めるマレーシアの首都クアラルンプールで、第46回東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が月曜日に開幕しました。域内統合の加速と、貿易・経済の混乱に耐える「レジリエンス(回復力)」の強化が大きな焦点となっています。
クアラルンプールで第46回ASEAN首脳会議がスタート
マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、首脳会議の全体会合の開会式で演説し、変化する国際秩序の中でASEAN各国が連携して課題に向き合う必要性を強調しました。
アンワル首相は、ASEANの平和・安定・繁栄は、これまで「開かれた、包摂的で、ルールに基づく国際秩序」に支えられてきたと指摘しました。その土台は、貿易・資本・人の自由な移動にあります。しかし、そうした基盤が「恣意的な行動の力によって、いまや解体されつつある」と危機感を示しました。
保護主義の再燃と多国間主義への警鐘
アンワル首相は、最近の米国による一方的な関税措置に言及し、世界の通商システムへの圧力が一段と強まっているとの見方を示しました。保護主義が再び勢いを増し、多国間主義が「綻びを見せている」と述べ、ASEANとしての対応を呼びかけました。
こうした発言の背景には、世界のサプライチェーン(供給網)や投資の流れが分断され、東南アジアの経済にも影響が及びかねないという懸念があります。ASEAN首脳会議では、こうした外部環境の変化にどう備えるかが重要なテーマとなっています。
議題の柱:統合とレジリエンスの強化
今回のASEAN首脳会議と関連会合では、次のような点が主要な議題とされています。
- 域内市場の一体化をさらに進めるための協力
- 貿易や投資の混乱に耐えられる経済・社会のレジリエンス強化
- 持続可能で、公平な経済発展を進めるための具体策
マレーシアは2025年のASEAN議長国として、「Inclusivity and Sustainability(包摂性と持続可能性)」をテーマに会議を主導しています。誰も取り残さない成長と、環境や社会への負荷を抑えた発展をどう両立させるかが、今後のアジア経済を左右する論点になりそうです。
中国・GCCとの協力を強化する意味
アンワル首相は、友好国との協力強化の重要性にも言及しました。なかでも注目されるのが、初めて開催される「ASEAN・中国・湾岸協力会議(GCC)」首脳会合です。
この枠組みは、ASEANにとって最大の経済パートナーである中国と、エネルギー資源や投資で存在感の大きい湾岸協力会議(GCC)の双方を結びつける試みです。首相は、この会合の意義を強調し、連携を深めることで、変動の大きい世界経済の中でも安定した成長を確保したい考えを示しました。
ASEANとはどのような地域共同体か
東南アジア諸国連合(ASEAN)は1967年に設立されました。現在、次の10カ国が加盟しています。
- ブルネイ
- カンボジア
- インドネシア
- ラオス
- マレーシア
- ミャンマー
- フィリピン
- シンガポール
- タイ
- ベトナム
ASEANは、政治・安全保障、経済、社会・文化の3分野を柱に、域内の平和と安定、経済成長を目指してきました。今回の首脳会議は、その方向性を改めて確認し、変化する世界の中でどのように役割を果たしていくかを議論する場となっています。
日本の読者にとっての意味
多国間貿易体制の揺らぎや保護主義の高まりは、日本経済や日本企業にとっても他人事ではありません。東南アジアは日本にとって重要な貿易相手であり、生産拠点や市場としても存在感を増しています。
そうした中で、ASEANが「包摂性」と「持続可能性」を掲げつつ、統合とレジリエンスをどこまで高められるかは、グローバル経済の安定にとっても鍵となります。今回の第46回ASEAN首脳会議は、東南アジアだけでなく、日本を含むアジア太平洋全体の行方を考えるうえで注目すべき動きだと言えそうです。
Reference(s):
ASEAN Summit opens in Malaysia with focus on integration, resilience
cgtn.com








