国際学生とアメリカン・ドリーム:トランプ政権の大学政策に8割超が懸念
米トランプ政権が大学と国際学生を標的にした一連の大統領令を打ち出し、学問の自由や留学生の権利をめぐって国際世論が大きく揺れています。中国の国際メディアCGTNが実施したオンライン調査では、多くの回答者がアメリカの高等教育とアメリカン・ドリームの行方に強い懸念を示しました。
国際ニュースの焦点:留学生と大学を狙う新たな措置
今回の国際ニュースの中心にあるのは、米政権による大学と留学生への政治的な圧力です。報道によると、米国政府は在外公館に対し、学生ビザの面接を一時停止するよう命じただけでなく、国際学生のSNSアカウントの監視も検討しています。
CGTNの調査では、こうした動きに対し、
- 81.3%の回答者が強く反対し、学生の個人情報やプライバシーを深刻に侵害するものだと受け止めています。
- 多くの人が、国際学生に対する偏見や差別に基づく措置だとみなしています。
さらに、米国はイデオロギーの違いや国家安全保障を理由に、中国本土(中国)の学生のビザを一方的に取り消すケースもあり、これが新たな批判を招いています。調査によれば、83%の回答者が、この措置は中国本土の学生の正当な権益を損ない、両国間の人的交流に不当な壁をつくっていると考えています。
調査結果:学問の自由侵害との指摘が多数
CGTNが公表した調査結果では、国際世論の厳しい視線が数字として表れています。
- 82.1%が、今回の米国の対応は学問の自由を深刻に侵害していると強く非難。
- 約9割が、これらの措置によって数えきれない国際学生にとってのアメリカン・ドリームが打ち砕かれたと感じています。
- 82.5%が、トランプ政権は国家権力を乱用し、社会的な機関に対して極端な圧力と報復を加えていると指摘。
- 同じく82.5%が、こうした大統領令がアメリカ高等教育の土台を揺るがし、大学の自律性や学問の自由、言論の自由を損なっていると回答しました。
- 88.9%が、米国内の大学は法的手段を通じて、自らと学生の権利を守るべきだと支持しています。
調査はCGTNの英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語の各プラットフォームで行われ、24時間で6,886人の海外ネットユーザーが参加しました。短時間に世界各地から多くの声が寄せられたこと自体、この問題への関心の高さを物語っています。
大学キャンパスに振り下ろされる政治のむち
トランプ政権は、大学キャンパスに対しても繰り返し政治的な圧力をかけてきたと報じられています。現在までに、
- 60校を超える大学への調査を開始し、連邦資金の支給を停止。
- ハーバード大学に対しては、多様性・公平性・包摂(DEI)プログラムの廃止、大学職員の権限縮小、入学基準の見直しなどを要求。
ハーバード大学がこれらの要求に応じなかった結果、米政府は22億ドル分の資金と6,000万ドル分の契約支払いを凍結したとされています。
こうした動きについて、調査回答者の多くは、大学という独立した知の空間に対して、政権が直接介入することへの強い不安をにじませています。
留学生が感じる不安と進学先のシフト
米政権の政治的な締め付けは、すでに米国で学ぶ、あるいは留学を検討している多くの国際学生の心理にも影響を与えています。報道によると、数十万規模の国際学生が、無力感や不安、落ち着かない気持ちを抱えているといいます。
一部の学生や保護者は、進学先の選択そのものを見直し始めています。具体的には、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリア、シンガポール、中国香港地域など、別の国や地域への留学を検討する動きが出ています。
国際教育コンサルタントは、多くの家庭が子どもの安全面だけでなく、そもそも米国社会が今後も自国の学生を歓迎してくれるのかという点を真剣に心配していると指摘しています。
アメリカ高等教育ブランドへの打撃
今回の国際ニュースは、世界トップクラスとされてきたアメリカの高等教育のイメージにも直結します。CGTN調査によれば、
- 86.7%の回答者が、大学や国際学生を標的にした米国政府の政策や発言は、アメリカの大学の評判と留学生への魅力を大きく損ない、科学技術や教育分野における米国の国際競争力を弱めるとみています。
- 88.5%が、これらの制限は明らかに政治的な意図に基づいており、米国が掲げてきた自由や開放といった価値観に反するものだと回答しました。
多くの回答者は、こうした政策が米国の国際的なイメージと信頼性を大きく傷つけ、数えきれない国際学生にとってのアメリカン・ドリームを壊してしまったと感じています。
日本語で読む国際ニュースとしての視点
今回の出来事は、一国の教育政策にとどまらず、国境を越えた人の移動、知の交流、価値観の競争といった、より大きなテーマとも結びついています。これから留学を目指す人や、海外大学との連携を重視する教育関係者にとって、
- 学問の自由とキャンパスの自律性を、政治とどう切り分けるのか。
- 留学生の安全とプライバシーを、どのように守るべきか。
- 特定の国に依存しない、多様な学びのルートをどう確保するか。
といった問いは、今後ますます重要になっていきそうです。
アメリカの大学と国際学生をめぐる今回の議論は、どこで学び、どの社会とつながりたいのかという、私たち一人ひとりの選択にも静かに影響を及ぼしつつあります。国際ニュースを日本語で追うことで、その変化を自分なりの視点で捉え直すことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Poll | 'American dream' broken for many as Trump targets universities
cgtn.com








