イラン高官、米国に「対話への真剣な姿勢の認識」を要求 核協議第5ラウンドで
イラン核問題をめぐる米国との間接協議が第5ラウンドに入る中、イランの高官が中国メディアグループの単独インタビューで、米国に対し「イランの真剣な対話姿勢を認めるべきだ」と訴えました。
第5ラウンド協議をめぐる発言のポイント
先週水曜日、匿名を条件に中国メディアグループの取材に応じたイランの高官は、米国との間接協議について「対立を対話で解決するというイランの本気度を、ワシントンは認識するべきだ」と強調しました。
現在行われている第5ラウンドの間接協議は、イラン核問題と対イラン制裁をめぐる重要な局面とされています。同高官は、米国が本当にイランの核計画の平和的な性格を懸念しているのであれば、イランの「柔軟で建設的なアプローチ」を歓迎すべきだと述べました。
一方で、同高官は、米国がイスラエルの「イランの平和的な核産業を破壊しようとする野心」を支持していると批判し、これが協議を難しくしていると指摘しました。
焦点は「平和的核計画」と制裁解除
目的は保証と制裁解除
高官によれば、イランが米国との対話に応じてきた目的は一貫しており、次の2点に集約されます。
- イランの核計画があくまで平和目的であることについて、国際社会と米国に十分な保証を提供すること
- その見返りとして、対イラン制裁の実効的な解除を実現すること
しかし同高官は、米国が「イランの核産業の完全な停止」を求める一方で、制裁解除については実務的で信頼できる提案を示していないと主張しました。その結果、「問題の性格そのものが変質し、対話と交渉の土台が意味を失いつつある」と述べています。
「矛盾した立場」が協議を行き詰まりに
高官は、ワシントンの姿勢を「矛盾している」と繰り返し批判しました。特に、米国側がイランのウラン濃縮活動の完全停止を求めている点について、「そのような条件をイランがいかなる状況でも受け入れないことは、米国も十分承知している」と指摘しました。
そのうえで、ウラン濃縮停止の要求は、協議を意図的に行き詰まりに追い込むためのものだと分析しました。
ウラン濃縮は「技術」以上の意味を持つ
同高官は、ウラン濃縮をめぐる問題は単なる技術や産業の問題ではなく、「イランの国家独立と主権の象徴」だと位置づけました。
「濃縮の権利を守ることは、あらゆる対外的な脅威や侵略に対して、わたしたちの国家主権と領土の完全性を守ることだ」と述べ、核燃料サイクルをめぐる主権問題としての側面を強調しました。
制裁解除をめぐる米国の「限界」
制裁の扱いについても、高官は強い不満を示しました。米国政府は、複雑な形で積み重ねられてきた対イラン制裁を実効的に解除するための「必要な法的権限」を欠いているように見えると指摘しました。
その結果として、協議は長期化し、米国代表は「合理的で現実的な草案」を提示することを繰り返し避けていると批判しました。
「心理戦」としての協議なのか
同高官は、米国による協議提案の意図に対する疑念にも言及しました。もともと一部の観測筋は、米国による対話の呼びかけを「より広い心理的キャンペーンの一環」と見ていましたが、現在ではその見立ての方が現実に近づいていると語りました。
こうした認識は、イラン側が協議を通じて具体的な制裁解除や相互の信頼醸成を実現できていないという不満の裏返しでもあります。
今後の行方と国際社会の視線
今回の発言からは、イラン側が自国の核産業とウラン濃縮を「譲れない主権の象徴」とみなしている一方で、制裁解除という実利も強く求めている姿が浮かび上がります。
イラン高官の説明によれば、米国は核活動の制限や停止を最優先しつつ、制裁解除については慎重な態度を崩していないとされます。この構図が続く限り、第5ラウンド以降の協議でも大きな突破口が開けるかどうかは不透明です。
イラン核問題をめぐる動きは、中東情勢だけでなく、エネルギー市場や国際的な核不拡散体制にも影響を与えうるテーマです。今後も、協議の進展と双方のメッセージの変化を丁寧に追う必要がありそうです。
Reference(s):
Iranian official urges U.S. to recognize Tehran's commitment to talks
cgtn.com








