オーストリア南部グラーツの学校で銃乱射 少なくとも9人死亡、約30人負傷
オーストリア南部の都市グラーツの中等学校で火曜日、銃乱射事件が発生し、少なくとも9人が死亡、約30人が負傷しました。戦後のオーストリアで最悪の学校銃乱射事件とみられ、同国社会に大きな衝撃を与えています。
何が起きたのか:事件の概要
警察によると、事件はグラーツ市内の中等学校で火曜日の午前10時ごろに発生しました。通報を受けた警察が出動し、学校周辺には数百メートルにわたって警察車両による封鎖線が張られました。
- 場所:オーストリア南部グラーツの中等学校
- 時間:火曜日午前10時ごろ(現地時間、協定世界時午前8時ごろ)
- 死者:少なくとも9人(多くが生徒と報じられる)
- 負傷者:約30人(国営放送による報道)
- 容疑者:元生徒とされる男で、現場で死亡
地元メディアによると、容疑者の男は学校に侵入し、生徒に向けて発砲しました。警察は単独犯とみて捜査を進めています。
現場の状況と避難
事件発生後、警察は学校周辺を封鎖し、アクセス道路を警察車両でふさぎました。学校は避難が完了し、生徒や教職員は建物の外へ誘導されたとされています。
地元警察の広報担当者は、現場周辺は安全を確保済みであり、被害者や生徒の家族に対してケアが行われていると説明しました。遺族や関係者への心理的な支援が重要な段階に入っていることがうかがえます。
容疑者像:元生徒、いじめ被害の報道
警察は公式には容疑者の身元を公表していませんが、オーストリアの複数のメディアは、容疑者が22歳の元生徒だと伝えています。国内紙の報道によると、次のような情報が出ています。
- 22歳のオーストリア人の元生徒と報じられる
- これまで刑事事件の前歴はなかったとされる
- 使用された銃の一丁は最近購入されたとみられる
- 過去にいじめの被害を受けていたとの報道もある
メディア報道によれば、容疑者は拳銃と散弾銃を所持し、二つの教室で発砲したとされています。そのうち一つの教室は、かつて自らが通っていたクラスだったと伝えられています。地元紙は、容疑者とみられる人物が校舎内のトイレで死亡しているのが見つかったとも報じました。
こうした情報の多くは地元メディアによるものであり、動機や背景については、今後の捜査や公式発表が待たれます。
国家的悲劇として受け止めるオーストリア
クリスティアン・ストッカー首相は声明で、今回の事件について次のように述べました。
グラーツの学校で起きた乱射事件は、わたしたちの国全体を深く揺るがす国家的な悲劇だと表現し、「今、オーストリア全体が感じている痛みと悲しみを言い表す言葉はない」と、深い哀悼の意を示しました。
現場の凄惨さに加え、多くの犠牲者が生徒だと報じられていることから、同国社会に与える心理的な打撃は大きいとみられます。
専門家が見る位置づけ:戦後最悪の学校銃乱射
過激主義研究者で、戦略対話研究所に所属するジュリア・エブナー氏は、今回の事件をオーストリアの戦後史上最悪の学校銃乱射事件と位置づけています。また、学校での銃乱射は、アメリカなど一部の国に比べるとオーストリアではまれだと指摘しました。
こうした専門家の評価からも、今回の事件が単なる一つの重大事件にとどまらず、オーストリアの現代史に残る出来事として記憶される可能性があることがわかります。
欧州からの連帯メッセージと広がる問い
欧州連合の外交政策責任者であるカヤ・カラス氏は、ソーシャルメディアのエックスに投稿し、すべての子どもは学校で安心して学ぶ権利があり、恐怖や暴力から解放されているべきだと強調しました。そのうえで、犠牲者と遺族、そしてオーストリアの人々に哀悼の意を表しました。
学校は、どの国でも子どもたちにとって最も身近で、安全であるべき場所と考えられています。その場で起きた今回のような銃乱射事件は、
- 学校の安全をどのように守るか
- いじめや孤立など、生徒の悩みをどう早期に把握し支えるか
- 若者へのメンタルヘルス支援をどう充実させるか
といった問いを、あらためて社会全体に突きつけるものでもあります。
これから注目されるポイント
現地からの情報はまだ流動的ですが、今後、次の点が焦点になっていくとみられます。
- 警察による容疑者の身元と経歴の正式な公表
- 事件の動機や犯行に至るまでの経緯の解明
- 学校や地域社会での安全対策の見直し
- 被害者とその家族への長期的な支援体制
オーストリアでまれとされてきた学校での銃乱射事件が、なぜこのタイミングで、どのような背景から起きたのか。事実関係の解明とともに、社会全体で冷静に考えることが求められています。
Reference(s):
Gunman kills at least nine in attack on Austria's secondary school
cgtn.com








