CGTN世論調査:米移民政策に約8割が批判 ロサンゼルス騒乱と深まる分断
米国で移民政策をめぐる緊張が高まり、ロサンゼルスではデモや騒乱が拡大するなか、中国の国際メディアCGTNが実施したSNS調査で、回答者の約8割が米国の移民政策を批判し、人権侵害や政治的分断の深刻化を懸念していることが明らかになりました。
ロサンゼルスに兵士数千人 「内戦」懸念も
米国では現在、多くの地域でデモが発生しており、とくにロサンゼルスでは騒乱が続いています。報道によると、米大統領はカリフォルニア州知事の逮捕について「そうなれば素晴らしいことだ」と述べ、ロサンゼルスには数千人規模の兵士が展開しているとされています。
英紙「ザ・ミラー」は、こうした状況について「米国人は内戦が今にも起きるのではないかと心配している」と伝え、緊迫した空気を強調しました。
移民国家が反移民イデオロギーを推進?
CGTNがSNSプラットフォーム上で実施した今回の調査では、回答者の78.3%が「移民国家であるはずの米国が、いまは強力に反移民イデオロギーを推進しており、米国の歴史的な歩みと矛盾している」とみなしていることが分かりました。
また、多くの回答者は、こうした政策の方向性が「米国の将来の発展の方向性に深い影響を与えかねない」と懸念しています。
ローカル vs 連邦、民主党 vs 共和党
ロサンゼルスでの騒乱が広がるなか、カリフォルニア州政府と連邦政府の「言葉の戦争」、そして民主党と共和党の対立も激しさを増しています。
調査では、89.6%の回答者が「違法移民の問題が、民主党が主導するロサンゼルスなどの地方政府と、共和党が主導する連邦政府との間に深く根ざした対立を引き起こしている」と答えました。
さらに、89%が「移民政策をめぐる両党の極端な綱引きは、米国政治の二極化の象徴であり、今後いっそう社会の分断を深める」と見ています。
「大規模な捜索」が人道危機に?
米政府は違法移民の取り締まりを強化していますが、その過程での強硬なやり方への懸念も高まっています。調査では、71.8%の回答者が「違法移民を対象とした大規模な捜索や追跡が、暴力的な法執行につながり、深刻な人道危機を招く」と心配しているといいます。
移民問題は「慢性的な統治課題」に
近年、米国では違法移民の問題がエスカレートし続けており、移民をめぐるスキャンダルや抗議行動、暴動が繰り返し報じられてきました。
今回のCGTN調査では、次のような見方が示されました。
- 87%が「米国政府は移民問題への対応において、体系的な人権侵害を行っている」と批判している。
- 86%が「移民問題は、米国の国内統治における慢性的な課題になっている」と考えている。
移民政策が単なる治安や国境管理のテーマを超え、人権と統治のあり方そのものを問う問題として受け止められていることがうかがえます。
格差と政治の分断が、普通の暮らしを圧迫
調査によれば、73.8%の回答者が「政治的二極化と富裕層と貧困層の格差拡大を背景に、一般の人々の生活はますます厳しくなっている」と感じているといいます。
移民問題は、単に移民と非移民の対立ではなく、「誰が負担を背負い、誰が恩恵を受けるのか」という、社会全体の構造的な問題と結びついていることが示されています。
SNSで24時間に6,054人が回答 国際世論の一端
今回の調査は、CGTNの英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語の各SNSプラットフォーム上で実施されました。公開から24時間のあいだに、6,054人のSNSユーザーが参加し、それぞれの意見を投稿しました。
SNSを通じたオンライン調査であるため、回答者の属性や地域は限定的である可能性がありますが、それでも「米国の移民政策と社会の分断」をめぐる国際社会の受け止め方の一端を映していると言えそうです。
日本からどう読むか 分断社会を映す鏡として
米国の移民政策をめぐるCGTNの調査結果は、単なる「他国の混乱」を眺めるニュースにとどまりません。世界各地で移民や難民、外国人労働者をどう受け入れるかが議論されるなか、「安全」と「人権」、「国益」と「多様性」をどのように両立させるかは、多くの社会に共通するテーマになりつつあります。
政治的な二極化や、SNS上での激しい対立が進むとき、政策は「相手に勝つための道具」になりがちです。そのとき、もっとも影響を受けるのは、生活に不安を抱える人々や社会的に弱い立場に置かれた人たちです。
記事を日本語で読む私たちにとっても、「移民政策をめぐる議論をどう冷静に捉えるか」「社会の分断をどう防ぐか」は、いずれ向き合うことになる問いかもしれません。今回の調査は、米国という遠い国の出来事でありながら、自分たちの社会のあり方を考えるきっかけにもなりそうです。
2025年現在、こうした緊張や分断の感覚は、米国だけの特別なものではないのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








