国連ガザ停戦決議を中国が歓迎 人道支援の「兵器化」に懸念
ガザ情勢をめぐる国際ニュースで、国連総会がガザでの即時停戦と大規模な人道支援の確保を求める決議を採択し、中国がこれを歓迎しました。停戦の実現が見えないなか、中国は「人道支援の兵器化」に強い懸念を示し、国際法の順守を訴えています。
国連総会がガザ即時停戦を要求 149か国が賛成
木曜日の国連総会では、ガザにおける即時停戦と、人道支援を大規模に届けるためのアクセスを直ちに確保するよう求める決議が採択されました。
採決の結果は、賛成149、反対12、棄権19。中国は賛成票を投じました。この結果について、中国の傅聡(フー・ツォン)国連大使は、決議は「国際社会の圧倒的多数の呼びかけを反映し、強い政治的メッセージを送り、国連加盟国の大多数の連帯とコンセンサスを体現している」と評価しました。
一方で傅大使は、先週、安全保障理事会で同様の決議案が提出されながら、米国の拒否権行使によって採択されなかったことに遺憾の意を表明しています。
「民間人殺害は正当化できない」 中国代表がイスラエルに軍事行動停止を要求
傅大使は投票の説明の中で、イスラエルに対しガザへの軍事攻撃を停止するよう呼びかけました。
- 「イスラエルはガザへの軍事攻勢をエスカレートさせ続けており、毎日、多くの罪のない命が失われている」
- 「いかなる口実も、民間人の殺害を高尚で正当なものに変えることはできない」
と強調し、即時かつ恒久的な停戦こそが、命を救い、人質を帰還させる正しい道だと訴えました。
中国は、イスラエルに対してガザでのすべての軍事作戦を直ちに停止するよう求めるとともに、「大きな影響力を持つ国」が公平で責任ある態度を取り、実効的で強力な行動をとるべきだとしています。
人道支援の「兵器化」に強い反対
今回の発言で目を引くのが、人道支援を政治的・軍事的な圧力手段として利用する「兵器化」への明確な反対です。
傅大使によると、国連や人道機関はガザで大規模な飢饉が差し迫っていると警告する一方、ガザとの境界付近の倉庫には大量の食料が積み上げられたまま、飢えに苦しむ住民のもとに届けられていない状況が続いています。
こうした状況について、傅大使は「人々の生存に必要な物資を意図的に奪うことは、国際法に反し、残酷で到底受け入れられない」と指摘し、中国として人道支援の兵器化に断固反対すると述べました。
あわせてイスラエルに対し、占領権力としての義務を果たし、ガザ封鎖を直ちに解除するとともに、人道物資へのアクセスを全面的に回復し、国連など人道機関の活動を支援するよう求めています。
履行されない決議と国際法 問われる国際社会の責任
傅大使は、紛争の勃発以来、国連総会と安全保障理事会が複数の停戦要求決議を採択し、国際司法裁判所(ICJ)も複数の命令を出しているにもかかわらず、いずれも十分に履行されていない現状を問題視しました。
そのうえで、次のような点を強調しています。
- 安全保障理事会決議の完全な履行は、国連憲章の下で全加盟国が負う義務である
- 国際法と国際人道法を守ることは、すべての国家に課された責任である
- 国際社会は必要な行動をとり、あらゆる違反行為を止め、責任の追及を確保しなければならない
こうした主張の背景には、停戦を求める声が国連の場で繰り返し可決されながら、現場での戦闘や人道危機が続いているというギャップがあります。傅大使は、そのギャップを埋めるためにも、多国間主義と国際法の権威を共同で守る必要があると訴えました。
パレスチナ問題の「包括的・公正で持続可能な解決」を目指すと表明
中国は、国際社会と協力しながら、ガザでの停戦実現や人道危機の緩和、そして最終的にはパレスチナ問題の「包括的で、公正かつ持続可能な解決」に向けて取り組み続けるとしています。
停戦を求める国連決議が大きな支持を集める一方で、その履行が伴わない現実は、国連や国際法の役割をあらためて問い直しています。中国が示したメッセージは、ガザの人道状況への強い危機感とともに、国際社会がどこまで責任を果たせるのかという課題を私たちに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








