イスラエル、イラン軍事・核施設を空爆 ライジング・ライオン作戦第1段階完了 video poster
イスラエル軍は、イランの軍事および核関連施設を標的とした大規模空爆作戦の第1段階が完了したと発表しました。イラン側もドローンによる報復攻撃に踏み切っており、中東情勢の緊張が一段と高まっています。
今回のニュースのポイント
- イスラエルがイランへの空爆作戦第1段階の完了を発表し、核施設や弾道ミサイル関連拠点を攻撃
- イラン側では革命防衛隊の幹部や核科学者が死亡したと報じられる
- 報復としてイランがイスラエルに向けて約100機のドローンを発射
- ネタニヤフ首相は「イスラエルの歴史の決定的瞬間」と位置づけ、作戦は今後も数日間続くとの見通しを示す
イスラエル、ライジング・ライオン作戦の第1段階完了を発表
現地時間の金曜日、イスラエル軍はイランを標的とした空爆作戦の「第1段階」を完了したと明らかにしました。作戦名はライジング・ライオンとされ、イランの軍事力と核関連能力に打撃を与えることを目的としていると説明しています。
イスラエル側によると、標的となったのは次のような拠点です。
- 核インフラ(核関連施設やその周辺設備)
- 弾道ミサイル関連施設
- その他の各種軍事能力に関わる拠点
イスラエル軍の報道官であるエフィ・デフリン准将は、約200機の戦闘機がイラン国内のおよそ100カ所を同時に攻撃したと説明し、イランの防空システムにも打撃を与えたと述べました。
イラン革命防衛隊幹部と核科学者が死亡と報道
イランの公式通信社IRNAは、今回の空爆でイスラム革命防衛隊の最高司令官ホセイン・サラミ氏と、ハーゲ・アルアンビヤ中央司令部の司令官ゴラムアリ・ラーシド氏が死亡したと伝えました。
さらに、イランの核科学者であるモハンマド・メフディ・テフランチ氏とフェレイドゥーン・アッバシ氏の2人も空爆で死亡したと報じられています。イスラエル側は、イランの核兵器開発に関わっているとみなす核科学者らを標的にしたことを明言しています。
イランは約100機のドローンで報復
イスラエル軍によると、イランは報復としてイスラエルに向けて約100機のドローンを発射しました。デフリン准将は「ここ数時間でイランは100機を超えるドローンをイスラエルに向けて発射した」と述べ、防空システムが迎撃に当たっていると説明しました。
このように、従来のミサイル攻撃に加え、無人機(ドローン)を用いた攻撃が前面に出ている点は、現代の中東紛争の特徴を象徴しているとも言えます。
現地からの報道:ナタンズとテヘランで爆発音
イランの主要な核関連施設があるナタンズでは、施設近くで複数の爆発音が聞こえたと目撃証言が出ています。また、イラン国営テレビは首都テヘランでも爆発があったと伝え、同国の防空システムが全面的に警戒態勢に入っていると報じました。
ロイター通信に対してイランの高官は、国家指導部が治安と安全保障に関する高レベルの会議を開いていると述べており、イラン側も事態を重大な局面と受け止めていることがうかがえます。
ネタニヤフ首相「イスラエルの歴史の決定的瞬間」
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は録画メッセージを公開し、「今、私たちはイスラエルの歴史の決定的瞬間にいる」と強調しました。そのうえで、イスラエル軍がイランの核濃縮計画の中枢を攻撃したと主張しています。
ネタニヤフ氏によると、イスラエル軍はイランの主要な濃縮施設があるナタンズを標的としたほか、イランの弾道ミサイル計画の「中枢」も攻撃したとしています。また、イランの核兵器開発に関わる科学者らに対しても打撃を与えたと述べました。
同氏は、今回の作戦は今後数日間続くとの見通しを示し、作戦の継続を示唆しました。
イスラエル側が示す脅威認識
イスラエル軍の高官は、イランがもたらす脅威について三つの側面を挙げています。
- 核兵器保有に向けた動きの加速
- 数千発規模に及ぶとされる弾道ミサイルの開発
- 中東各地の武装組織などへの支援
また、イスラエル軍は、イランが数日のうちに最大15発分の核兵器を製造できるだけの濃縮物質を保有していると主張しました。こうした認識のもと、「イスラエル国家には選択肢が残されていなかった」とし、「国民を守るために行動する義務がある」と説明しています。
緊張高まる中東情勢 何が焦点になるのか
イスラエルとイランの間で軍事的な応酬が激しくなるなか、今後の焦点として次のような点が挙げられます。
- 作戦の拡大か抑制か:イスラエルが第1段階に続きどの程度攻撃を拡大するのか、それとも限定的な作戦にとどめるのか。
- イランのさらなる報復:ドローン攻撃に続き、追加の軍事行動に出るのか、それとも抑制的な対応を選ぶのか。
- 周辺地域への波及:中東の他の地域や関係する武装勢力が巻き込まれ、より広範な衝突に発展するリスクが高まる可能性。
- 民間人への影響:軍事施設だけでなく、民間インフラや住民に被害が及ぶ懸念がどこまで高まるのか。
こうした点は、中東情勢だけでなくエネルギー市場や国際金融市場にも波及しかねないため、多くの国や地域にとって無関係ではありません。
読者が押さえておきたい視点
今回のイスラエルとイランの軍事行動は、単なる一時的な報復合戦ではなく、核開発問題、ミサイル技術、無人機を含む新しい戦争の形といった複数の要素が重なった事案です。日本にいる私たちにとっても、次のような問いを投げかけています。
- 核開発をめぐる対立は、どこまで軍事力で抑止しうるのか。
- ドローンなど新技術の普及は、紛争のエスカレーションを加速していないか。
- 緊張を和らげるために、外交や国際社会の枠組みはどこまで機能し得るのか。
中東のニュースは日本から見ると遠い出来事に感じられがちですが、エネルギー、安全保障、国際秩序といった形で私たちの日常ともつながっています。状況の推移を冷静に追いながら、自分なりの視点を持つことがこれまで以上に重要になっていると言えます。
Reference(s):
cgtn.com








