マクロン大統領がグリーンランド訪問 米国の「買収」発言を批判
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は2025年12月7日、グリーンランドのヌークを訪れ、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相とグリーンランドのイェンス=フレデリック・ニールセン首相とともに共同記者会見に臨みました。マクロン氏は会見で、米国が繰り返し示してきたグリーンランド取得の意向を誤りだと批判し、フランスと欧州連合(EU)がグリーンランドの自治とデンマークの主権を支持する姿勢を鮮明にしました。
米国の「グリーンランド取得」発言を正面から批判
マクロン氏は、米国がグリーンランドを手に入れたいという意思を繰り返し表明してきたことについて、米国がそのような願望を言い続けるのは誤りだと述べました。また、グリーンランドは買われたり奪われたりすることはできないと強調し、トランプ米大統領の過去の発言を正面から否定しました。
こうした発言は、デンマークの主権を侵害する米国の動きと受け止められかねない状況に対し、欧州側が結束して異議を唱えたメッセージといえます。マクロン氏は、フランスと欧州連合がグリーンランドの自治とデンマークの主権を支持する立場を改めて確認しました。
トランプ政権の動きとバンス副大統領の訪問
今年就任したトランプ米大統領は、それ以来たびたびグリーンランドの支配権を得たいとの意向を示してきました。目標を達成するために軍事的または経済的な圧力の可能性も排除しないと語っているとされ、北極圏への地政学的関心が再び高まるなかで、発言の波紋が広がっています。
今年3月には、JD・バンス米副大統領が米代表団とともに、グリーンランドにある米宇宙軍のピトゥフィク宇宙基地を訪問しました。この場でバンス氏は、北極圏の安全保障を確保し、グリーンランドの人々の生活を向上させるための取り組みが不十分だとして、デンマークを公然と批判しました。
フランスはヌークに総領事館を新設
マクロン氏は今回の一日訪問の中で、ヌークにフランス総領事館を開設する方針も明らかにしました。ここヌークに総領事館を開き、皆さんにより近い存在になると述べ、この地に長期的に関与していく意思を示しました。
フランスは欧州連合と同じようにグリーンランドと肩を並べて歩むと強調し、象徴的な外交拠点の設置を通じて、北極圏への関与を深める狙いがうかがえます。
対立より協力を強調するマクロン氏
マクロン氏は会見で、対立ではなく協力を通じてこそ、より良い未来を築くことができると呼びかけました。今回の訪問については事前にトランプ大統領にも知らせていたとしたうえで、気候変動や経済開発、教育などの課題で、グリーンランドやデンマークと協力を深めたいと語りました。
なぜ今回の発言が注目されるのか
北極圏をめぐる地政学的な関心が再び高まるなか、今回のグリーンランド訪問と発言は、米国と欧州の間で見解の違いが表面化した出来事として受け止められます。特に、自治と主権をどう守るのかという点で、次のような論点が浮かび上がっています。
- 米国がグリーンランド取得に向け、軍事的・経済的な圧力の可能性にも言及していること
- フランスと欧州連合が、グリーンランドの自治とデンマークの主権を明確に支持したこと
- バンス米副大統領が、北極圏の安全保障やグリーンランドの人々の生活をめぐりデンマークを批判したこと
これから何に注目すべきか
今後の国際ニュースを追う上で、読者が注目しておきたいポイントを整理します。
- トランプ米大統領が今後もグリーンランド取得の意向や軍事的・経済的圧力に言及し続けるのか
- デンマークとグリーンランドが、フランスや欧州連合、米国との関係をどのように調整していくのか
- ヌークに設置されるフランス総領事館が、北極圏におけるフランスと欧州の存在感をどう変えていくのか
遠く離れた北極圏の出来事のように感じられるかもしれませんが、一つの地域をめぐる発言が、自治や主権、そして大国同士の関係にどのような影響を与えるのかを考えるきっかけになります。グリーンランドをめぐる動きは、今後も国際ニュースの重要なテーマとなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








