イスラエル軍がイラン西部を空爆 報復の連鎖で中東緊張が一段と深まる
イスラエル軍がイラン西部への空爆を実施し、その直前にはイランによるイスラエルへのミサイル攻撃が報告されました。両国の報復の応酬は激しさを増しており、中東情勢は新たな段階に入っています。
木曜日に何が起きたのか
イスラエル軍は木曜日、戦闘機およそ20機による「情報に基づく作戦」をイラン西部で実施したと発表しました。標的としたのは、地対地ミサイルの発射施設やイラン軍の要員だったと説明しています。
軍の発表によれば、イスラエル空軍はミサイルを輸送していたトラックも攻撃しました。これらの車両は、指定された発射地点に到着したタイミングで空爆を受けたとしています。
イランのミサイル攻撃とイスラエル側の被害
こうしたイスラエルの空爆は、同じ木曜日に行われたイランからのミサイル攻撃への対応とされています。イランはイスラエルに向けて多数のミサイルを発射し、その一部がテルアビブ広域などに着弾しました。
イスラエル保健省によると、このイランの攻撃で負傷した人は271人に上りました。このうち重傷者が4人、中等症が16人で、多くは避難中の負傷や不安による症状だったと説明されています。
イスラエル側によれば、南部都市ベエルシェバにあるソロカ医療センターの建物にもミサイルが直撃しました。一方、イランのアラグチ外相は、ミサイル攻撃の標的はイスラエル軍の指揮・管制・情報本部や別の重要拠点だったとし、近くにある病院の被害は「表面的な損傷」にとどまったと主張しています。
イスラエルの「ライジング・ライオン作戦」とは
イスラエルは今回の一連の軍事行動を「ライジング・ライオン作戦」と名付けています。作戦の発端となったのは、2025年6月13日にイスラエル軍がイラン国内の標的を空爆したことだと説明されています。
その後の衝突の激化により、公式の数字では、これまでにイラン側でほぼ600人、イスラエル側で24人が死亡したとされています。国境を越えた相互攻撃が続く中で、双方の被害は拡大してきました。
イスラエル保健省によると、ライジング・ライオン作戦の開始以降、負傷などで治療を受けた人は合計2,345人に達しました。このうち21人が重傷で、すでに多くが退院したものの、106人が入院中で、149人が救急外来で治療を受けているとされています。
ネタニヤフ首相「誰も免れない」
イランのミサイルが被弾したとされるソロカ医療センターを訪問したイスラエルのネタニヤフ首相は、今後の対応について強い姿勢を示しました。
ネタニヤフ首相は、イランの最高指導部への攻撃を含め、さらなる攻撃の可能性を排除しないと警告し、「誰も免れない。あらゆる選択肢が開かれている」と述べました。この発言は、今後も報復の連鎖が続き得ることを示唆するものとして受け止められています。
エスカレーションが意味するもの
今回の特徴は、イスラエルとイランが互いの領域の奥深くまで直接攻撃を行っている点にあります。ミサイル攻撃と空爆が繰り返されることで、偶発的なさらなる被害や、予期せぬ衝突拡大のリスクが高まっています。
特に、医療機関の近くが被害を受けたとされることは、市民生活への影響の大きさを象徴しています。双方とも軍事施設を狙ったと主張する一方で、周辺地域に住む人びとが不安定な状況に置かれている現実は変わりません。
エネルギー市場の不安や、各国の外交対応など、今回のエスカレーションは中東地域にとどまらず、国際社会にも波紋を広げる可能性があります。報復の応酬が続くのか、それとも緊張緩和に向けた外交的な動きが出てくるのかが、今後の大きな焦点となりそうです。
この記事のポイント
- イスラエル軍がイラン西部を空爆し、地対地ミサイル発射施設や軍要員を標的にしたと発表
- 直前にはイランによるイスラエルへのミサイル攻撃があり、271人が負傷
- ネタニヤフ首相はイラン指導部を含むさらなる攻撃も排除しない姿勢を表明
- 6月以降の一連の衝突でイラン側ほぼ600人、イスラエル側24人が死亡とされ、中東情勢の緊張が一段と高まっている
Reference(s):
cgtn.com








