OIC外相会議、イスタンブールで開幕 イスラエル・イラン衝突が焦点
イスラム協力機構(OIC)の第51回外相会議がトルコ・イスタンブールで開幕し、イスラエルとイランの緊迫した対立と中東地域の安全保障が、イスラム諸国の最重要議題として浮かび上がっています。
会議では、イスラエルによるイランへの最近の攻撃や、ガザやレバノンなど周辺地域への軍事行動をめぐり、加盟国がどこまで共通の立場を打ち出せるかが焦点となっています。
OIC外相会議がイスタンブールで開幕
イスラム協力機構(OIC)の第51回外相会議が、現地時間の土曜日、トルコ最大の都市イスタンブールで始まりました。会議は2日間の日程で行われ、議長国のトルコが議論を主導しています。
今回の会議のテーマは、英語で掲げられたスローガンを訳すと『変容する世界の中のOIC』という内容で、地政学的な緊張や安全保障の不安定化が進む中で、OICがどのような役割を果たすべきかが問われています。
議題の中心には、イスラエルによるイランへの最近の攻撃と、そこから波及する地域全体の安全保障リスクが据えられました。イスラエルとイランの対立激化は、すでに不安定な中東情勢をさらに緊迫させる要因となっています。
会合には、イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相を含む35を超える国の外相が参加し、副外相クラスも5人出席しています。トルコの国営アナトリア通信によると、参加者はおよそ1,000人に達する見通しです。
フィダン外相「地域にはイスラエル問題がある」
開幕セッションで演説したトルコのハカン・フィダン外相は、ライブ中継でイスラエルの行動を強く批判し、地域の不安定化を招いていると指摘しました。
フィダン外相は『この地域にはイスラエル問題がある』と述べ、『これはパレスチナやレバノン、シリア、イエメン、イランの問題ではなく、明らかにイスラエルの問題だ』と強調しました。
さらに、イスラエルがトルコの隣国であるイランを攻撃していることについて、『地域を全面的な破局の瀬戸際に追い込んでいる』と危機感を示しました。そのうえで、イスラエルに対して直ちに攻撃をやめるよう求めるとともに、国際社会に対しても、事態のさらなるエスカレーションを防ぐために断固とした行動を取るよう呼びかけました。
フィダン外相はまた、イランをめぐる核交渉が進む中でイスラエルが攻撃に踏み切ったことについても、『核交渉が続いている最中のイスラエルによるイラン攻撃を強く非難する』と述べ、外交努力を損なう行為だと批判しました。
エルドアン大統領、イスラム世界の結束を訴え
開幕セッションでは、トルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領も演説し、イスラエルによる一連の軍事行動を厳しい言葉で非難しました。
エルドアン大統領は、イスラエルによるガザ、レバノン、イエメン、シリア、そして最近のイランへの攻撃を挙げ、『イスラエルのこれらの攻撃の定義と表現は、ならず者的行為だ』と述べました。イスラエルの行動は、国際秩序や地域の安定を損なうものだとの認識を示した形です。
また、大統領は、イスラエルによるイラン攻撃のタイミングが、イランと米国の間で核問題をめぐる交渉が本格化している時期と重なったことに触れ、『そのタイミングは極めて意味深い』と指摘しました。交渉の行方に影響を与えかねない動きとして受け止めているとみられます。
そのうえで、エルドアン大統領は、イスラム世界が内部分裂を乗り越え、共通の利益のもとに団結する必要性を強調しました。『我々は、国際法と国連憲章に基づき、イスラエルに対して拘束力のある措置を実行に移すための取り組みを続けなければならない』と述べ、OICを通じた具体的な外交的・政治的な対応の重要性を訴えました。
イスラム諸国の連携はどこまで進むか
今回の外相会議の最大の焦点は、イスラエルとイランの対立や、ガザなどをめぐる軍事行動に対し、イスラム諸国がどの程度足並みをそろえたメッセージを発信できるかという点です。
エルドアン大統領が『内部分裂を乗り越える』必要性に言及したことは、加盟国の間に、対イスラエル政策やイランをめぐる認識の違いが存在することを前提としています。そのなかで、共通の最低限の合意を形成できるかどうかは、今後の地域外交に大きな影響を与えます。
会議では、次のような論点が焦点になるとみられます。
- イスラエルによるイラン攻撃やガザなどへの軍事行動に対する、OICとしての非難や共同声明のあり方
- イスラエルとイランの対立をこれ以上激化させないための、停戦や緊張緩和に向けた外交的働きかけ
- イランをめぐる核交渉が地域の安全保障に与える影響と、OICとしての関与の可能性
国際社会にとっての意味
イスラエルとイランの衝突がエスカレートすれば、中東全体だけでなく、エネルギー供給や安全保障を通じて世界経済にも影響が及ぶ可能性があります。そのなかで、多くのイスラム諸国を含むOICの外相が一堂に会し、共通のメッセージを模索していることは、国際政治の流れを左右しうる動きです。
トルコの指導部は、イスラエルの軍事行動を厳しく批判すると同時に、国際法と国連憲章に基づく対応を強調しており、法の支配を軸にした外交的な圧力構築を目指しているといえます。
イスラエルとイランの対立、パレスチナ問題、核問題などが複雑に絡み合うなか、今回のOIC外相会議がどのようなメッセージや行動計画を打ち出すのかは、今後の中東情勢と国際社会の対応を考えるうえで注視すべきポイントです。
押さえておきたい3つのポイント
- イスラム協力機構(OIC)の第51回外相会議がイスタンブールで開幕し、イスラエルとイランの対立が最大の議題となっていること
- トルコのフィダン外相とエルドアン大統領が、イスラエルの軍事行動を強く非難し、イスラム世界の結束と国際社会の断固とした対応を求めていること
- 会議の結果次第で、中東地域の緊張緩和に向けた外交的な圧力やメッセージがどこまで具体化するかが注目されること
Reference(s):
OIC foreign ministers convene in Istanbul amid Israel-Iran conflict
cgtn.com








