国際世論調査 米軍のイラン核施設空爆に世界から非難
米軍によるイラン核施設への空爆を受けて、国際ニュースとして中東情勢への懸念が一気に高まっています。中国の国際メディアCGTNが実施した世論調査では、世界各地の回答者の大多数が米国の軍事行動を非難し、中東での即時停戦と政治的解決を求めていることが明らかになりました。
米軍のイラン核施設空爆と中東緊張の拡大
米空軍のステルス爆撃機B-2スピリットが参加するミッドナイト・ハンマー作戦では、イランの核関連施設が標的となりました。イスラエルとパレスチナの最新の衝突が激化するなか、米国はイスラエルの軍事行動を事実上容認し続けてきましたが、今回ついに直接介入に踏み切った形です。
米国はこれまでもイスラエルへの軍事支援を継続し、国連安全保障理事会ではガザでの停戦決議案に対して繰り返し拒否権を行使してきました。英紙ガーディアンは、トランプ政権が地域の安定よりも短期的な利益を優先し、危機を大きくしていると批判しています。
CGTN国際世論調査が示す厳しい視線
こうした中で、CGTNは英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語の各プラットフォームを通じて国際世論調査を実施しました。12時間という短い期間に、海外在住の1万472人が中東情勢と米国・イスラエルの対応について意見を寄せています。
結果は、今回の空爆と一連の軍事行動に対する強い批判を浮き彫りにしました。特に米国のイラン核施設攻撃については、国際法や国連憲章の観点から重大な問題があるとみる回答が多数を占めています。
- 91%が、国際社会がイランとイスラエルをめぐる緊張緩和を求める中で、米国の行動は火に油を注ぎ、紛争を制御不能な状態に押しやっていると回答しました。
- 90%が、イランの核施設への攻撃は国連憲章と国際法に深刻に反し、イランの主権や安全、領土一体性を侵害していると見ています。
- 90%が、イスラエルの軍事行動が地域の緊張を急速に高めていると指摘しました。
- 84%が、イスラエルの行動が中東の人道危機を悪化させていると答えています。
求められるのは停戦と政治解決
調査結果からは、軍事力の行使ではなく政治的な解決を求める声が非常に強いことも読み取れます。多くの回答者は、中東の複雑な対立構造は武力では解決できないと考えています。
中東の混乱は世界の安定にも直結するとして、回答者は次のような点を強調しました。
- 85%が、国際社会は事態のさらなる悪化を防ぎ、中東での即時停戦を最優先課題とすべきだとしています。
- 77%が、中東問題の複雑さを考えると、軍事的手段では持続的な和平は達成できないとし、イランの核問題やイスラエルとパレスチナの対立を含め、対話と政治交渉こそが前進の道だと答えました。
- 91%が、影響力を持つ大国は、紛争の拡大を容認するのではなく、停戦を積極的に後押しする責任があると強調しました。
世論調査から読み取れる三つのポイント
これらの数字を総合すると、今回の国際世論調査は次の三つのメッセージを発しているといえます。
- 軍事的優位に依存するだけでは安全も安定も得られず、むしろ新たな危機を生むという認識が広がっていること。
- 国連憲章や国際法を尊重し、国家の主権と領土一体性を侵さないことが、紛争防止の基本だと受け止められていること。
- 米国を含む大国には、緊張をあおるのではなく、停戦と対話の枠組みづくりを主導する役割が期待されていること。
日本と世界への含意
中東の不安定化は、原油価格や海上輸送路、安全保障環境を通じて、日本を含む世界経済に影響を与えます。遠い地域の問題のように見えても、私たちの日常生活と無関係ではありません。
今回の調査は、短時間に集められた世論の一断面にすぎませんが、軍事行動への強い懸念と、停戦・対話を求める幅広い期待を示しています。今後、国際社会と大国がどのように責任を果たし、中東の火種を抑え込んでいくのかが、引き続き大きな焦点となりそうです。
Reference(s):
Poll: World condemns the U.S. air strikes on Iran's nuclear facilities
cgtn.com







