タイがカンボジアとの国境を全面閉鎖か 越境犯罪対策で緊張高まる
2025年6月、タイとカンボジアの国境をめぐる緊張が一気に高まりました。タイ側が越境犯罪対策として国境管理を厳格化する中、カンボジア側は「タイ軍が全ての国境検問所を一方的に閉鎖した」と主張しています。
カンボジア「タイ軍が全ての国境を閉鎖」
現地メディア「Cambodianess」によると、カンボジア側は火曜日、タイ軍がカンボジアとの全ての国境検問所を一方的に閉鎖したと確認しました。これにより、二国間で協議する余地はほとんどないとの見方を示しています。
カンボジア内務省移民総局のトップであるソック・ヴィサナ警察中将は、次のように述べています。
「タイ側は国境全体を閉鎖しました。私たちが全ての検問所閉鎖について正式な通知を受けたのは、6月24日朝になってからです」
タイの狙いは越境犯罪の取り締まり強化
その前日月曜日、タイのパエトンターン・シナワトラ首相は、カンボジアとの国境管理を強化し、越境犯罪と闘う方針を発表していました。バンコクの政府庁舎で開かれた高官会合後、首相は記者団に対し、国境での人と物の移動を厳しく制限すると説明しました。
発表によると、タイ側がとろうとしている主な措置は次の通りです。
- タイ・カンボジア国境にある7県の検問所の運用時間を短縮
- 車両・人の往来を、学生、医療目的の移動、生活必需品の輸送など「必要不可欠な移動」に限定
- 違法な越境ビジネスを支えているとみなされる物資の輸出を停止、特に燃料と電力の供給を見直し
- 不法行為に利用されている疑いがあるカンボジア向け燃料の輸送について、停止を検討
- カンボジア政府や軍関連機関と接続しているインターネットサービスや海底ケーブルの接続を停止
パエトンターン首相の発表を受け、タイ軍もカンボジアとの国境管理をさらに強化し、「必要不可欠な移動」と人道目的の通行のみを認める方針を示しました。
カンボジア側も燃料輸入を停止へ
タイの措置の前後で、カンボジア側も対応を強めています。カンボジアは日曜日、タイからの燃料・ガス輸入を停止すると表明し、自国民に対しては、やむを得ない事情がない限りタイへの渡航を控えるよう呼びかけました。
こうして、国境を挟んだ両国の応酬が続く中で、緊張が高まっています。
国境閉鎖が地域にもたらす影響
今回の国境閉鎖と出入国制限は、越境犯罪対策という安全保障上の目的から打ち出されたものですが、その影響は国境地帯の人々の生活にも及ぶ可能性があります。
特に懸念されるのは、次のような点です。
- 国境を日常的に行き来している学生や患者の移動の困難化
- 生活必需品や燃料の供給ルートの変化による物価や物流への影響
- インターネット回線や海底ケーブル遮断による、行政やビジネスのデジタル通信への影響
一方で、タイ政府は越境犯罪や違法ビジネスの取り締まりを強化することで、長期的には国境管理の健全化を目指しているとみられます。
今後、タイとカンボジアがどのように対話の糸口を探り、国境管理と人々の生活のバランスを取っていくのかが注目されます。
Reference(s):
Cambodia says Thailand has closed all border crossings with the nation
cgtn.com








