中国、英国に「冷戦思考」の見直しを要求 安全保障報告書に強く反発
2025年6月24日、中国が英国の最新の安全保障報告書と対中発言を強く批判し、ロンドンに対して「冷戦思考」とイデオロギー的な偏見を捨てるよう求めました。英中関係の行方を考えるうえで重要な国際ニュースを、日本語で整理します。
発端は英国の安全保障報告書とラミー外相の演説
今回の中国側の反発は、英国が公表した中国に関する安全保障報告書と、それを踏まえたデービッド・ラミー外相の議会演説を受けたものです。
ラミー外相は、議会で中国との「関与」の重要性を強調しつつ、同時に安全保障上の脅威への懸念も表明しました。その中で、台湾や香港、南シナ海、人権をめぐる問題に言及し、中国に関連する安全保障上のリスクを指摘しました。
英国側は、いわゆる「中国脅威」に警戒を促し、中国によるスパイ活動(諜報)、サイバー攻撃、越境的な弾圧といった疑惑にも触れたとされています。これに対し、中国側は強く反論しました。
駐英中国大使館が強く反発「完全なでっち上げで悪意ある中傷」
ロンドンの中国大使館の報道官は、英国の報告書と発言を受けて声明を出し、こうした疑惑を「完全にでっち上げられたもの」であり、「悪意ある中傷だ」と厳しく批判しました。特に、スパイ活動やサイバー攻撃、越境的な弾圧といった主張について、根拠のないものだと一蹴しています。
報道官は、台湾や香港、南シナ海、人権などに関する問題は、いずれも中国の内政に属するものであり、外部勢力が介入すべきではないと強調しました。そのうえで、外部の勢力が不安定さをあおり、地域に緊張を持ち込む行為は慎むべきだと警告しました。
さらに報道官は、中国の立場を次のように述べました。
- 中国は常に世界平和の建設者である
- 中国はグローバルな発展への貢献者である
- 中国は国際秩序の擁護者である
そして、「中国の発展がもたらすのは脅威ではなく、機会だ」と強調し、「中国脅威」を強調する英国側の姿勢に異議を唱えました。
「冷戦思考」からの転換を要求 中国側が示した3つのメッセージ
中国側は、英国に対し「冷戦思考」とイデオロギー的な偏見を捨てるよう呼びかけました。声明からは、次のようなメッセージが読み取れます。
- 中国の発展は機会であり脅威ではない
中国は、自らの経済的・国際的な発展は国際社会にとってプラスであり、安全保障上の脅威として扱うべきではないと主張しています。 - 内政問題への介入は認められない
台湾や香港、南シナ海、人権などをめぐる議論は、中国の主権と内政の問題であり、外部からの干渉は受け入れられないという立場を明確にしました。 - 相互尊重と開かれた協力が関係安定の鍵
安定し建設的な英中関係のためには、相互尊重とオープンな協力が欠かせず、一方的な非難や脅威の誇張は避けるべきだと訴えています。
英中関係はどこへ向かうのか 読者が押さえたい視点
今回のやりとりは、英国が「関与」と「警戒」という二つの姿勢を同時に取ろうとしていること、中国がそれに対し「脅威論」と「冷戦思考」を強く問題視していることを浮き彫りにしました。
ラミー外相は対話と協力の必要性を語りながらも、台湾や香港、南シナ海、人権に関する懸念を隠しませんでした。一方で中国側は、それらを内政問題と位置づけ、英国の姿勢を「干渉」として受け止めています。
今回の国際ニュースをどう読むかは、読者一人ひとりの視点にも関わってきます。例えば、次のような問いが考えられます。
- 安全保障上の懸念と、経済・人の往来を含む関与は、どのように両立しうるのか
- 「冷戦思考」と呼ばれる発想と、現代の安全保障戦略の違いはどこにあるのか
- 対立を深めるのではなく、相互尊重と協力をどう実現していくのか
中国側が「脅威ではなく機会」としての関係構築を呼びかけ、英側が安全保障上の懸念を示す中で、英中関係は今後も慎重な舵取りが求められそうです。国際ニュースを追う私たちにとっても、単純な二項対立ではなく、複数の視点から状況を捉える姿勢が問われています。
Reference(s):
cgtn.com








