韓国の李在明大統領、新政権を担う6閣僚を指名
韓国の李在明大統領、新政権の中核となる6閣僚を指名
韓国の李在明(Lee Jae-myung)大統領は、2025年6月4日の就任後、政権の中核を担う6人の閣僚を新たに指名し、大統領府の上級秘書官2人と国家情報機関の次長らも任命しました。経済や社会、法務、行政、産業、保健福祉など主要分野の陣容が固まり、李政権の方向性がよりはっきりしてきています。
経済と社会を統括する二人の副首相
まず、経済政策を統括する経済副首相には、元財務次官のKoo Yun-cheol氏が起用され、経済・財政政策を担当するMinistry of Economy and Financeのトップを兼ねます。財政運営や景気対策の経験を持つ官僚出身の人物を据えることで、李政権は安定した経済運営と成長戦略の両立を図ろうとしているとみられます。
社会分野を統括する副首相には、Chungnam National Universityの元総長であるLee Jin-sook氏が教育相として指名され、そのうえで社会副首相も兼ねます。教育政策だけでなく、福祉や雇用など幅広い社会政策を横断的に調整する役割が期待されます。
- 経済副首相:Koo Yun-cheol氏(元財務次官、Ministry of Economy and Financeトップ)
- 社会副首相:Lee Jin-sook氏(元Chungnam National University総長、教育相)
与党・民主党のベテランを法務・行政に起用
法務分野では、与党リベラル系のDemocratic Partyで5期務めるベテラン議員のJeong Seong-ho氏が法務相に指名されました。同じくDemocratic Partyの5期議員であるYoon Ho-jung氏は、内務行政を担当する内務相に起用されます。
いずれも与党の中核議員であり、検察や司法制度、地方行政や治安など、政治的な争点となりやすい分野で政権との連携を強める狙いがあるとみられます。与党のベテランを要所に配置することで、国会運営や改革法案の調整力を高めたい考えもうかがえます。
産業と保健福祉は専門家を登用
産業政策を担う産業相には、大手プラント建設企業Doosan Enerbilityの社長であるKim Jung-kwan氏が指名されました。大型プラント事業など産業現場を熟知する民間企業トップを起用することで、産業競争力の強化やエネルギー・インフラ分野の政策に現場の視点を取り入れる狙いがあるとみられます。
保健福祉相には、Korea Disease Control and Prevention Agencyの元長官であるJeong Eun-kyeong氏が起用されます。同機関は感染症対策を専門とする機関で、公衆衛生の最前線を経験してきた人物です。医療提供体制の強化や高齢化への対応など、保健・福祉をめぐる課題にどう取り組むのか注目されます。
- 産業相:Kim Jung-kwan氏(Doosan Enerbility社長)
- 保健福祉相:Jeong Eun-kyeong氏(Korea Disease Control and Prevention Agency元長官)
大統領府と情報機関の体制づくりも前進
李大統領は閣僚人事とあわせて、大統領府で民情全般を扱う上級秘書官と、市民団体や非政府組織との関係を担当する上級秘書官の2人も任命しました。政権と社会とのパイプづくりや世論の把握を担うポストであり、政策決定と現場の声をつなぐ役割が期待されます。
さらに、国家情報機関であるNational Intelligence Serviceの次長らも任命し、安全保障や情報収集の分野でも自らの信頼できる布陣を固めました。内政から安全保障まで、大統領を支える中枢のチームづくりが進んだ形です。
半年を迎える李政権、見えてきた3つの特徴
2025年6月の就任から約半年を迎えるなかで、今回の人事からは次のような李政権の特徴が見えてきます。
- 経済副首相と社会副首相の二本柱で、経済・社会政策を横断的に統括しようとしていること
- 法務相と内務相に与党Democratic Partyのベテラン議員を起用し、政治と行政の連携と調整力を重視していること
- 産業相と保健福祉相に民間企業や公衆衛生の専門家を登用し、現場に根ざした政策づくりを目指していること
韓国社会は、経済格差の是正、産業構造の変化、少子高齢化や公衆衛生の課題など、多くのテーマに直面しています。今回の布陣がこれらの難題にどう応えていくのか、今後の政策運営と国会との関係に国内外の注目が集まりそうです。
東アジアの国際ニュースという観点からも、李政権がどのような経済・社会戦略を打ち出し、周辺の国々との関係にどのような影響を及ぼしていくのか、引き続きフォローしていく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








